3話まで読んだ瞬間、物語は一変する！SNS広告で話題『わたし、今日から「おひとりさま」』は絶望か、それとも希望の物語か？

SNSを見ているとよく流れてくるマンガ広告。不倫、サスペンス、エログロ系……マンガ広告は思わず目を奪われてしまうようなインパクトの強い作品が多いように感じます。世間一般的に流行っているマンガにはない、あの背徳感というか独特の読後感がたまりませんよね。そんな数あるマンガ広告の中で「3話※まで読んだ瞬間、鳥肌が立った！」と衝撃の声が相次いでいる作品をご存知でしょうか。

※めちゃコミック配信時は5-6話

根っからの専業主婦がある日突然ひとりに！？

――将来の夢は専業主婦になること。思い描いていた夢の通り、高校卒業と同時に結婚・妊娠して、夫と可愛い娘の3人で暮らしている泉（31）。

せっかく朝ご飯を作ったのに夫と娘が食べてくれない……なんて小さな不満はあるけれど、それなりに幸せ。そんな幼い頃から夢見た専業主婦の日常を送る泉でしたが、ある日突然夫から離婚を切り出されてしまいます。

予想もしなかった離婚宣言を受けて、今後の人生を思い悩む泉でしたが、さらに追い討ちをかけるように、娘のミチからも捨てられてしまい文字通り“ひとり”に。

夢だった専業主婦という立ち位置どころか、家族さえも失ってしまった泉。ですが、しっかり者のミチから「東京に行きなよ」という助言を受け……。

なんと収入もいくあてもないのに、本当に上京してしまうのです。

3話まで読んだ瞬間、今まで読んだすべてが一変する

いきなり離婚を突きつけられた専業主婦。この設定だけで十分SNSでよく流れてくるマンガ広告っぽいなぁ……という題材ですが、この後泉はどうなるのでしょうか。

バツイチアラサーの遅咲きの上京ストーリー？
それとも、旦那への泥沼復讐劇の幕開け？

そのどれでもなく、職どころか住む場所さえ見つけられなかった泉は、なんと同郷のじゅりちゃんの自宅に転がり込むのです。

ことの重大さを理解していないというか、この掴みどころのない泉というキャラクターに正直もやっとする読者もきっと多いことでしょう。

ですが、3話まで読んだ瞬間、この彼女の不思議なキャラクター性はもちろん、家族が朝ご飯を食べない理由、夫から離婚を突きつけられた真相、そしてなぜミチは母親との別れを寂しがることなく上京を勧めるのか……全ての謎が解けるのです。

冒頭で描かれる日常の些細なやりとりも、それを見つめる夫の目線も。今まで読んできた物語全てが一変する衝撃的な読後感に襲われます。

“おひとりさま”同士の連携が生み出す希望

例えるならばホラーマンガさながらの衝撃を与える3話。『わたし、今日から「おひとりさま」』は絶望の物語だったのか……と、思わず滅入った気持ちになりますが、本作で描かれているのは間違いなく絶望ではなく、希望の物語です。

そんな本作を“希望の物語”たらしめるのは、上京した泉が頼った同郷の友人・じゅりちゃんの存在。独身でバリキャリ道をひた走る彼女は、学生時代はもちろん現在進行形で泉の人生選択や考えていることが全く理解できません。一方で、泉もそんなじゅりちゃんを見てこの様子……。

一見すると何もかも相容れない二人。唯一の共通点は、きっかけや理由は違えど“おひとりさま”であることのみ。そんな二人が少し寄り道をしたり（特に泉はかなり危なっかしい寄り道をします！笑）悩んだり、時に衝突しながら掴み取った幸せの形。

専業主婦、バツイチ、独身。自分が置かれている環境や立ち位置に関係なく、「自分の幸せとはなんだろう？」という問いのもと育まれた、ちょっぴり歪だけど力強い二人の絆に胸を打たれます。

『わたし、今日から「おひとりさま」』は単行本1巻が絶賛発売中。最終話まで一気読みしたい方はぜひ「めちゃコミック」をチェックしてくださいね。

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＜作者プロフィール＞
きよね駿
東京都在住。漫画家。2021年12月より電子書籍配信サイト「めちゃコミック」にて『わたし、今日から「おひとりさま」 』の連載を開始。SNS広告で注目を集め、2022年11月に待望の単行本化。Instagramでは「女の愚痴」をテーマに制作したイラストを掲載中。
https://www.instagram.com/kiiyo1991/
https://twitter.com/kiiyo1991