こたつに長時間入り続けると起こるリスクとは?


山田:たとえば、「足湯」を思い浮かべていただくとわかりやすいかもしれません。足湯では、足しか温めていないはずなのに、全身が温まります。これは、足の温度が上がることで血行が良くなり、結果として全身に血液が巡って起こること。心拍数が上がる、全身に汗をかくなど、体全体に様々な変化があらわれます。

こたつのように、下半身だけ暖かいところに長時間入っている場合も、足湯と同じことが起こり得るのです。体の一部分だけでも過剰に温まると、汗をかいて脱水気味になってしまうことがあり、これが一つめのリスクです。

 

編集:なるほど、脱水症状に気をつけないといけないのですね……。ちなみに、私は今電気ひざかけを使用しているのですが、同じように気をつけるべきでしょうか?

山田:そうですね。電気ひざかけでも、過剰に温めすぎると脱水気味になることもあり得ます。水分をこまめにとるなど、対策に気をつけてくださいね。

編集:わかりました! 他に気をつけるべきことはありますか?

山田:「低温やけど」です。「低温やけど」とは、熱湯や火などに触れて起こる「高温やけど」よりも低い温度のやけどです。皮膚が直接、体温より高い温度に触れ続けてしまうことで、皮膚に炎症を起こしてしまうのです。
電気ひざかけなどを長時間使用していると、なんだか皮膚が痒くなってきたり、違和感を感じたり、熱を持って痛みを感じたりすることはありませんか?

編集:あります! 設定温度を最大にしていると、痒みを感じることがあるので、そんな時は温度を下げたりしています。

山田:実は、それが「低温やけど」の初期のサインです。そのままこたつに入り続けたり、電気ひざかけの使用を継続したりすると、症状が進行してしまう恐れがあります。自覚症状を感じたら一度こたつから出ていただくなど、長時間の使用には気をつけていただきたいです。