2月22日は「猫の日」です。窓辺にいる猫=「まどねこ」たちを30年以上、世界各国で撮影し続け、その猫や飼い主さんとのエピソードを添えたフォトエッセイ『世界のまどねこ』。作者のフォトグラファー・新美敬子さんに、まどねこの魅力や、猫と仲良くなる方法などをインタビューしました。猫を飼っている方や猫好きの方は必読です。
窓辺にいる猫は落ち着いていて、自分らしさを出している
——「まどねこ」を撮影し始めたきっかけを教えていただきたいです。
新美敬子さん(以下、新美):私は1988年から海外で猫を撮り始めたんです。窓にいた猫を撮ろうと思って撮り始めたというよりも、「そこに猫がいたから」撮っていたら、写真がどんどん溜まっていったという感じでした。本書に掲載されている写真の約三分の一はフィルムで撮ったものです。
路上で猫に出会って撮る時は、猫が怖がらないようにしゃがんだりして、体を小さく見せるんですね。でも、しゃがむと猫が何かくれると思うのか友達だと思うのか、こちらに向かってきちゃうんです。そうするとピントが合わなくて、すごく撮りにくい。その点、窓辺にいる猫はピントを合わせる距離を保てるので、撮りやすかったというのもあります。
——新美さんの写真を見ていると、猫って本当に窓辺が好きなんだなあとつくづく感じますし、このお家でどんな暮らしをしてるんだろう? と想像したくなります。
新美:写真を撮っていると、大体家の中から人が見ていて話しかけてきてくれるんです。「うちの猫が綺麗だから撮ったんでしょ?」って。お家の窓や庭のお花が綺麗だし、もちろん猫ちゃんがかわいいから撮らせてもらいました、と言うと「うちの猫はね」って猫自慢が始まるんですね。だから、『世界のまどねこ』の猫の日課や趣味などは、そのメモを元に書いています。本当のお話なんですよ。
——写真から想像が膨らむだけじゃなく、ドキュメンタリーとしても興味深いですね。ちなみに、新美さんがカメラを向けると、猫ちゃんたちはどんな反応をしますか?
新美:私がカメラを向けると、猫が「ここで撮ってほしい!」といって案内してくれるんですね。路上だったり、お花畑だったり、その子によって違うんですけど。だから窓にいる猫っていうのは、窓辺が「好きな場所」なんですね。猫は窓にいる時は何か考え事をしていたり、鳥や花などを見たりしているけれども、お気に入りの場所だから、猫が落ち着いて自分らしさを出せる場所なんです。風が吹いたり、日が当たったり、自分の健康にいいなと思っているのかも(笑)。
【写真】国によってキャラクターが違う? 奥が深い世界の「まどねこ」の違い
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写真1枚目:気温や湿度が高くて1年中ほとんど暑い東南アジアの猫は、“何もしない、lazy(怠惰)な”という表現が似合う、おっとりのんびりした子が多い印象。
写真2枚目:北欧やポーランド、オランダなどは1年の中で日照時間の差がすごく大きいので、初夏から秋にかけては屋内よりも外で過ごす子が多いかも。
写真3枚目:地中海のサルディーニャ島やマルタ島の猫は、積極的に観光客に寄ってきて“遊んで”って言ってくる子が多いですね。(以上、新美さん)
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