ファッションスタイリスト佐藤佳菜子さんが日常に感じる思いを綴る連載です。
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ご無沙汰しております。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。寒いです。先日、六本木にある区役所に用があって、そこから、東京ミッドタウンまでのたった750mを歩く旅路で心が3回折れました。四十路には寒さが身に堪えます。
そもそも、最近、重たい服が着られない。厚手のニットも、重量感のあるコートも、硬いデニムも厚底の靴も、ぜんぶ、ぜんぶ、体にずっしりのしかかられている感じがして、どれも苦手。つまり動きを妨げられる服が苦手、と言ってしまうと、ほとんど、我が家の小2男子の服の好みに等しい。
そこで、割り切って、びよーんと伸びてすぐに乾く、「スポーティなロゴ×蛍光色」の服に振り切れるのが小2男子の特権。シジュウの中年には、それはキツイ。そんな姿の自分を想像するだけでツラい。そこで粛々と、軽くて暖かくて、そして、大人にとっていちばん大事な「社会性」のある服を日々模索しているのです。
それなのに、その旅路を邪魔するのが、ワタシのなかにはびこる「メルヘンBBA」の細胞たち。もうこの歳になったら、どうでもいい服なんてひとつも着たくない。毎日楽しい服で過ごしたいという意思を持った細胞たちです。「惰性で服を選ぶなんて人生、損している」と本気で訴えかけてくるものですから、最近、すっかり楽しい買い物ばかりしています。
普通の服が好きなのですが、ただ真面目にきれいに整っているだけではもの足りないし、つまらない。どこかに、ふざけん坊がいるくらいが、ワタシらしい。見知らぬネコたち、そして、ピグミ(愛犬です)の写真を送って作ってもらった特製ピグミシューズも、目下、お気に入りのひとつです。もういい、ここまできたら、変わったおばさんでけっこうです。
そもそも動物がついた靴を集めるのは、ワタシのライフワーク。もうかれこれ10年くらい前に買ったマークバイマークジェイコブズの犬の靴がひどく気に入っていて、どんな高価な靴よりも大切にしていたのですが、ひさしぶりに仲間が増えたのです。
「テッテレー。ネコが仲間に加わった」
最近、我が家の駄犬ピグミは13歳になりました。考えうるかぎりの平和な老後を過ごしています。日向でゴロゴロ。ほうほう、思う存分やるがよいよ。それでは、みなさまもお体に気をつけてお過ごしください。
スタイリスト佐藤佳菜子さんのご自宅のクローゼットを大公開
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バナー画像撮影/川﨑一貴(MOUSTACHE)
文/佐藤佳菜子
構成/高橋香奈子
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