夕食のあとでも食欲がとまらないのは摂食障害


厚生労働省の統計によると、夜9時以降に食事をする人は、40代の男性の場合、約3人に1人、女性では約5人に1人の割合を占めています。そのなかには、夕食を食べたあとでも食欲がとまらない「夜食症候群」といわれる人もいます。これは摂食障害のひとつで、遅い時間に高カロリーのものを頻繁に食べてしまい、肥満状態や生活習慣病のリスクを抱えています。通常、レプチンというホルモンが食欲にブレーキをかけますが、この病気ではブレーキが利かなくなっています。

夜食はとらないのがいちばんですが、「どうしても食欲が抑えられないときにはどうしたらいいですか?」と10代の受験生に質問されました。

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食欲が暴走する夜食にこそ食べたいもの


夜は食欲が暴走する魔の時間帯です。意志の強さだけでは太刀打ちできない相手です。そんなときには、食物繊維たっぷりのわかめやきのこのスープなどでお腹を満たすのも方法です。ゆで卵、ヨーグルト、魚肉ソーセージ、豆腐、枝豆など、糖質や脂肪は少なめで、タンパク質と食物繊維は多めのものを選ぶようにしましょう。果物は一見、健康によさそうですが、糖質が多いので夜食には向いていません。

 

また、食物繊維が豊富で糖質の量を半分程度に抑えるなど、スマートスナックと呼ばれる健康的なおやつも市販されています。私たちの研究では、夜食に普通のクッキーを食べた場合、睡眠時間が短くなるのに対して、夜食に糖質の約50%を食物繊維に置き換えたクッキーでは、睡眠に悪影響を及ぼしませんでした。また、食物繊維が多いクッキーには、次の日の朝食時の高血糖が抑えられるセカンドミール効果も見いだせました。

間食はすべてダメと決めつけるのではなく、上手にとりたいものです。