大事な場面で全力を出すための下地を整えるのは、地味な作業


——以前、バラエティ番組に出演された際に内田さんは「準備フェチ」だと告白されていました。今回はどんなアプローチで準備をしましたか?

内田:今回、準備の中でいちばん大切にした事は、やはりニュースキャスターとしての部分です。姿勢や所作、声のトーンや目線など、その職業に寄せた部分は現場で咄嗟に出てくるものではなく、やはり稽古をしておく必要があって。自宅でデスクに原稿を置いて読み上げる練習を朝から晩まで繰り返しました。すごく地味な作業ですが、楽しいんです。私にとっては遊びではなく仕事なので、“準備フェチ”になるのは当たり前のこと。本番で監督からOKが出た瞬間の充実感を想像して、できる限りの準備をした状態で現場に入ります。

——どの作品でも内田さんは背筋が伸びて凛としていて、だから美しさが際立って見えるのですが、体幹トレなどの準備も徹底しているのでしょうか?

内田:特別な事はやっておらず、普段の生活の中で「余計な動き」を取り入れている程度です。 例えばソファから立ち上がる時に、1〜2回程のスクワットを加えるくらい(笑)。

 

——かつてバレエやフェンシングに励んでらっしゃったとか。その財産が残っているのかもしれないですね。

内田:それは30年ぐらい前の話です(笑)。半年に1回くらい、おもむろにしっかりとスクワットをすることがありますが、翌日に筋肉痛になっておしまいです。今の私にとっていちばんの健康管理術は、しっかり寝ることです。

 

——結局、規則正しい生活に勝る“準備”はないんですね。

内田:本当にそう思います。ちゃんとご飯を食べて、ちゃんと寝る。その基礎ができていれば心身の自然治癒力が高まる気がしますし、私の場合、大事な場面で全力を出すための下地が整っていくように思います。これからも朗らかな自分でいられる準備をし続けていきたいです。

<インフォメーション>
「連続ドラマW フィクサー Season1」
4月23日より毎週日曜日22時~放送

 

世の中を裏から操る“フィクサー”の暗躍と金と権力に群がる人間たちを描き、3Seasonにわたる大型ドラマシリーズとして展開。謎めいた主人公のフィクサー・設楽拳一を唐沢寿明が演じる。藤木直人、町田啓太、小泉孝太郎、要潤、吉川愛、斉藤由貴などが出演。Season1は4月23日より毎週日曜日22時~WOWOWプライム・WOWOW4Kにて放送、各月の初回放送終了後同月放送分をWOWOWオンデマンドにて配信(全5話)。


撮影/彦坂栄治(まきうらオフィス)
取材・文/浅原聡
構成/坂口彩