オンラインを駆使して、「結果が出ること」に感情を向かわせてあげる


「この子は特に右手の感情線が長いのですが、感受性が豊かである一方で落ち込みやすくもある。

だからその豊かな感性を『学校行けない自分はダメだ』とか『親や友達にこう思われてるかな』っていう自責の方向じゃなくて、『やればできるんだ』と、結果が出るものに使わせてあげることが大切です。息子さんは何か好きなことはありますか?」

 

(相談者さんいわく、息子さんはYouTubeで魚を捌く動画を見たり、料理に興味があるとのこと)

「料理、いいですね! たとえば料理をつくってみて、それをアップするしないは別として『今度は動画で撮ってみようよ』とか、表現することに繋げていけたらとてもいいと思います。この子は身体がしんどいと思うので、オンラインをうまく活用しながらやりたいことを見つけていくのがいいと思います。

 

あとは、やっぱり勉強はやっておいたほうがいい。別に学校に行く必要はないので、家庭教師をお願いするとか。対面で人と会うのが辛ければオンライン家庭教師という手段もあります。勉強するのもひとつの目的ですが、なるべくいろんな人との関わりをつくっておくのも大切なことです。

親やまわりの大人がすべきことは、この子にたくさんの『ある』を見せるということ。つまりどれだけたくさんの選択肢を提示できるかということです。提示した選択肢に対して『やる/やらない』は問題じゃなくて、こういう選択肢が『ある』ってことを知るのが大切。

よく『こんなに提案したのになんでやらないの!』と怒る親御さんもいますけど、むしろ10個提案して、『全部やりたくない!』って言ってくれたら子どもらしくて最高です。だってその子は11個目の選択肢を探すことができますよね? 親の顔を見て空気を読んで『じゃあこれで……』と選んでしまったら、その10個の選択肢以上に世界を広げることができません。だから、大人にできることはその子のやりたいものをどれだけ提示しつづけて、どれだけお金をかけられるか。それに尽きると思います。

やりたいことが見つかって、心のやる気が出てくれば自然に外に出たくなる。この子はそういう順番なんです。だから、おいしいものを食べて、楽しいこと探すことに全力を使ってください!」