4月21日は、故エリザベス2世(エリザベス女王)のお誕生日。思えば、世界中が驚き悲しんだ、女王の逝去から約7ヵ月……。私の印象としては、随分前のことのように感じると同時に、まだ信じられない気持ちもあり。

お誕生日に際し、改めてこの世に存在なされないことを実感させられますが、しかしながら偉大なる功績はもちろんのこと、ファッションも永遠です。

ということで、亡きエリザベス女王を追悼するとともに、華麗なファッションを年代別に振り返ってみたいと思います。

70年という王室史上最長の在位期間だけあって、そのファッションには時代のトレンドは勿論、年齢や、その時代、状況の中で実は葛藤されていたのでは? と推測してしまうファッションも。

“ファッションを見ればその時代背景や心境も見える”
私の推測とともに、今見ても超素敵なクイーン・スタイルをご紹介します。

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1950年代「クラシックなプリンセス・シルエット」

1954年1月29日、ニュージーランドを公式訪問。写真:Super Stock/アフロ

1952年に即位をされ、いわゆる女王としてデビューの年代と言えるのが1950年代。この時代といえば、ディオールの“ニュールック”がセンセーショナルでしたが、当時の女王のドレスシルエットも、まさに然り。

コンパクトでなだらかな肩のラインに、キュッと絞ったウエスト、そこからボリューミーにスカート部分が広がるデザインのワンピースをお召しの女王。ダークカラーの無地に、白のボウのようなヘッドドレスやグローブがアクセントになり、今見てもとてもモダンですね。また、靴も当時はデザイン性のあるものをお履きになっていて、洋服に合わせたバイカラーのサンダルタイプというのが新鮮です。

またこの時代にはお帽子も、頭に乗せたようなヘッドドレスタイプのものが主流でもありました。初々しいクイーンらしく、可愛い装飾のお帽子がお洋服のアクセントに。

また、レースや花柄プリントのワンピースも多く見られ、デコルテを美しく見せる襟の開いたデザインなども。アニメの中に登場しそうな、ザ・プリンセス・シルエットのスタイルが、この時代の特徴です。

1960年代「フローラル小物が主役のロマンチック・スタイル」

1961年11月25日、シエラレオネ共和国を公式訪問。 写真:Mirrorpix/アフロ

1960年代は、エリザベス女王ファッションにおいて最も華やかで可愛らしさが光った時代でした。この時にお召しになっているのも、シルクシャンタンと思しき光沢のある素材のフローラル柄のワンピース。フレンチスリーブにクルーネック、スカート部分はふんわりコクーンのようなクラシックなシルエット。これは50年代の名残でもありますが、何と言っても、アクセントになったウエストのボウが可愛い! そしてお帽子も、ドレスと同色のお花がふんだんにあしらわれた、とってもロマンチックなデザインです。

実はこの時女王は30代半ばですが、とってもお若い、そしてウットリするほど素敵。ブルーグレーとローズピンクの控えめな色使いであることも手伝って、なんとも上品でシックなロイヤルスタイルです。60年代を象徴するファッションともいえるでしょう。

1970年代「カラフル&最もモードなロイヤル・スタイル」

1971年、エプソム・ダービーに出席。写真:REX/アフロ

60年代のロマンチックさを残しつつ、よりポップで元気なファッションが印象的な1970年代。この時エリザベス女王は45歳。見えないですよね? 鮮やかなロイヤルブルーに白の切り替えがアクセントになったドレスコートをお召しになっていますが、襟元や八分丈の袖に配された白のデザイン、そしてブローチもぴったり。

そしてここでもやはり、ポイントはお帽子です。同色のベースに白のサテンで、お花のようなデザインが浮き立って見えますね。帽子の形がベレーなのも、この時代らしさです。ターバン型デザインなど、かなり凝って遊びのあるお帽子が多かったのも特徴です。

白のグローブにスタッズ型のイヤリング、バッグを黒で締められたところまで、全身見事に計算されたコーディネート。どれをとっても完璧です。全身ビスポークならではとはいえ、エリザベス女王流モードスタイル、素敵過ぎます。

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