きっと誰の心の中にある初恋の思い出。もう何十年も経っているのに、ふと思い出してしまうことはありませんか? そして、同窓会が開催されることになったら、今さらどうこうなりたいわけではないはずなのに、「もしかしたらあの人が来ているかも?」とドキドキしてしまうこともありそうです。女性向けマンガアプリPalcyで連載中の『初恋中毒』は、その名の通り、主人公の心の奥底に秘めていたはずの初恋の物語。でも、“中毒”とあるように、単なる甘酸っぱいラブストーリーではない不穏な空気が感じられます。
イケメンで御曹司の夫とはセックスレス。
物語の主人公・実和子は結婚して3年目。超大手企業・カツラギ製薬の御曹司・真一ととあるイベントで出会った時に見初められて結婚しました。真一は背が高くて優しそうなイケメンということもあり、まさに玉の輿。学生時代から絵を描くのが好きだった実和子は、今も自由に絵を描き、経済的には働く必要がないものの、画廊でギャラリストとして働く日々を過ごしていました。
何不自由ない生活を送っていて、恵まれた環境にある実和子ですが、いつもどこか浮かない顔。実は、真一に求められたのは結婚直後の数ヵ月だけで、それ以降、夫婦関係がなかったのです。勇気を出して自分から求めても、「売春婦みたいなことはやめてくれ」と言われる始末。誰にも言えずに悩んでいました。
そんなある日、実和子のもとに高校の同窓会の案内ハガキが届きます。卒業から15年目ということで、しばらく同窓会から遠ざかっていた実和子は行きたいと思います。真一に案内ハガキを見せて同窓会に行きたいことを伝えると、「捨てるよ」という非情な一言。実和子は何も言い返すことができませんでした。
姉のように慕ってくれる義妹は、ちょっとヤバそう?
真一には優衣という妹がいて、実和子のことを姉のように慕い、ケーキ持参でよく家にも遊びに来ます。優衣には弁護士の婚約者がいて、いまは結婚の準備中。優衣は彼にのろけっぱなしのようです。そんな優衣がこの日、彼と一緒に行ったのは病院。二人でブライダルチェックを受けたと実和子に話します。
「避妊しない性生活で1年経っても妊娠しなかったら 不妊症の可能性があるんですって」という優衣の言葉にどきりとする実和子。優衣は無邪気に、「お義姉さんとお兄ちゃんはもう3年よね どっちが原因なの?」と切り込みますが、不妊以前に夫婦の営み自体がない実和子は何も答えられません。
しばらくお茶をして、実和子の家を後にする優衣。実和子の前ではかわいさ全開の女の子! という感じだったのに、表情が一変。「ほんとつまんない人」と言い捨てて帰っていきました。この時点で、優衣がかなりヤバそうな人物ということがプンプン漂ってきます。
夫に嘘をついて同窓会に出席。そこで再会したのは……?
満ち足りているはずなのに、どこかで物足りなさを感じている実和子は、夫に「ギャラリー人手が足りないみたいで」と小さな嘘をついて、同窓会に行くことを決めます。
当日、会場に着いた実和子はどこかそわそわしていました。実はここにいるはずもない人を探していたのです。親しい友人には会えたものの、会場の雰囲気に馴染めず早めに帰ろうと決めたその時、ある男性とぶつかってしまいます。それが、高校時代の初恋の人で、当時交際していた成瀬くんだったのです。同じ美術部だった成瀬くんは、実和子の指に筆ダコを見つけ、「絵 まだ描いてたんだ」と微笑みます。これ、同窓会で一番ドキドキするシチュエーションじゃないですか!
その頃、夫の真一は、実和子がギャラリーで仕事をしているというのは嘘であることに気付いてしまいます。実和子のために買っておいたピンクのバラを握りつぶして、「お仕置きが必要かな」とつぶやく真一。妹の優衣だけでなく、兄もかなりヤバそうな雰囲気!
ドロドロ愛憎劇『私たちはどうかしている』作者が原作を担当。
第1話だけ見ると、玉の輿に乗ったはずの女性が実は満たされておらず、久々に参加した同窓会で、今も忘れられずにいる初恋の元カレに出会い……、というベタベタな展開です。しかし、本作の原作者が、ドラマ化もされた人気マンガ『私たちはどうかしている』(『わたどう』)作者の安藤なつみさんと聞くと、『わたどう』のようなドロドロ愛憎劇を期待せずにはいられません。
安藤さんは、作画のひさわゆみさんとの対談で、
「元々、ドロドロというか、人間関係が複雑に入り組んだ話とか、お家騒動とかが好きなんです。みんなそれぞれの正義や絶対に引けないものを持っていて、それを戦わせる物語にいつも惹かれて。なので、それを話に入れ込んでくると自然にドロドロしたものに……」
と話しています。また、悪役を描くのがすごく好きということで、本作で真っ先に思い浮かぶのが、実和子の義妹・優衣。高慢でサイコパス気味な彼女がこの先ガンガンにかき乱していくに違いありません。第1話では爽やかキャラの成瀬くんですが、彼は実和子と交際していた高校3年の時に何の前触れもなく姿を消しており(だから実和子が余計に忘れられずにいます)、謎多き人物。
作画のひさわさんは対談で、
「今後は成瀬の抱えた事情が詳しく明かされて、成瀬の印象も変わっていくはずです」
と答えているので、今後の展開がますます気になるところ。2話目以降、ガンガンにアクセルがかかってドロドロ展開になっていくのですが、「やめられないとまらない」状態になること必至。4月20日に単行本2巻が発売されたばかりなので、手にとったら最後、一気読みして「この先どうなるの〜」と悶え苦しむはず!
【漫画】『初恋中毒』第1〜2話を試し読み!
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『初恋中毒』
原作:安藤なつみ、作画:ひさわゆみ 講談社
メガヒット漫画「私たちはどうかしている」の安藤なつみ原作の、ドラマティック・ストーリーが登場! 大手製薬会社の御曹司と結婚し安定した結婚生活を送っていた実和子。しかし、夫の真一はもう何年も彼女の体に触れようとしない。そんなある日、高校の同窓会で初恋の男・成瀬と再会する。彼のミステリアスな魅力に抗えずに、実和子の心と体は次第に堕ちていき……! もう、初恋の甘い毒から抜け出せない……!!
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