――通常の舞台とは違い、毎日舞台のうえでライブを行うようなものですよね。

加藤:本当にそうです! 東京が終わってからのスケジュールも、ツアーに行くような感じ。体調管理も大変なので、とにかくよく食べて、よく寝るようにしています。作品によっては食事を抑えたりもするんですが、この作品はエネルギー量がハンパないので、夜しっかり寝ないと翌日に響くんです。公演が終わったらぐったりで、そのまま寝てしまうという感じですから。

 

――加藤さんはミュージカルの舞台で多く活躍されていますが、この『BACKBEAT』のように舞台の上でライブとして歌うのと、ミュージカルで歌うのではまったく違いますか?

加藤:ええ、違いますね。ミュージカルとまったく違うポイントはやはり自分たちで演奏するところ。これは自分のライブとも全然違うんです。『BACKBEAT』はバンドなので、自分のライブでは味わえない感覚なんですよね。メンバーとの信頼関係だったり、毎回何が起こるか分からないドキドキ感だったり……。そういうのも自分のライブでは味わえないですからね。

ミュージカルはオーケストラが演奏して、役としての心情を歌います。『BACKBEAT』での5人は自分たちが生きるために、そして成り上がるためにライブで武者修行しているという、ある意味“命がけの演奏”なんですよね。その熱量はものすごいし、あまりに自然体すぎて、たまに芝居をしていることを忘れるほど。舞台の上ではビートルズでいることが当たり前なんです。だからこそ、僕たち5人が仲良く居られるというか。特別な感覚です。

 

僕も多くのミュージカルに出演していますが、ミュージカルじゃないし、ストレートプレイなんだけどライブもあるという舞台ってなかなかないと思うんです。そして、ようやく少し落ち着いてきましたが、コロナ禍で外に出るのが億劫になってしまったという方もきっといらっしゃると思います。

でも、『BACKBEAT』は必ず皆さんが元気になれる作品です。ビートルズという伝説的なバンドのデビュー前の貴重な話で、それでいて一度は耳にしたことがある曲もたくさんあるという、盛りだくさんな内容なんです。ビートルズを詳しく知っている方はもちろん、名前くらいしか知らないという方でも入り込める作品なので、ぜひ一度スペシャルなライブ感を体感しに劇場へ足を運んでもらえると嬉しいです。

――加藤さんの「ここをぜひ観てほしい!」というのは?

加藤:僕、限定ですか?(笑) じゃあ、ぜひ最後の『ツイスト・アンド・シャウト』を歌っているシーンを、目に焼き付けてください!

<INFORMATION>
舞台『BACKBEAT』

戸塚祥太(A.B.C-Z)、加藤和樹
辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、JUON(FUZZY CONTROL)、上口耕平
愛加あゆ
鍛冶直人、東山光明、西川大貴、加藤 将、工藤広夢
尾藤イサオ

 

PREVIEW 4月23日(日) 江戸川区総合文化センター 大ホール(公演終了)
HYOGO 4月28日(金)〜5月3日(水祝) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
KUMAMOTO 5月6日(土)~5月7日(日) 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館) 大ホール
OSAKA 5月20日(土)~5月21日(日) 枚方市総合文化芸術センター 関西医大 大ホール
TOKYO 5月24日(水)~5月31日(水) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)

 


撮影/大門徹
ヘアメイク/国府田雅子(b.sun)、田坂貴恵、伊藤こず恵
スタイリスト/ゴウダアツコ
取材・文/前田美保
構成/坂口彩