写真/JMPA

4月12日、今年度はじめて学習院大学のキャンパスに通学された愛子さま。大学生らしい私服のコーディネートも話題となりました。

ご公務の際とは異なる、私服のコーディネートは、若い女性らしい装いでありながら、品格あるコーディネートを知ることができる貴重な機会です。

今回は、愛子さま、佳子さまの私服について、皇室の装いに詳しいファッション評論家の石原裕子さんにお話を伺いました。お二人がお好きな私服スタイルはどのようなものなのでしょうか?
 

【雅子さま・愛子さま】2023年新年の一般参賀の装いはこちら>>

写真で振り返る、凛としてマニッシュな雅子さまのコーディネート一覧>>

 


春の軽やかな風を感じる、愛子さまの通学スタイル

学習院大学の目白キャンパスに通学される愛子さま。2023年4月12日、東京都豊島区にて。写真/JMPA

石原裕子さん:甘さがありながら、爽やかなスタイル。春の風をはらんでいるような軽やかさが素敵です。これまでは学生らしい紺のブレザーにフレアのスカートをあわせたようなコーディネートが多かったので、新鮮なスタイリングですね。

植物のような柄のブラウスを選ばれていますが、天皇ご一家は自然との触れ合いを大事にされていますから、そういったお気持ちがスタイリングにも表れているのでしょう。動物や植物を大切に思う愛子さまらしいセレクトです。

ブラウスは透け感のあるとろみ素材で、袖はシャーリングのフリルが効いた可愛らしいデザインです。透けて見える黒のタンクトップとバッグの黒を合わせることで、甘さだけではない、辛みのあるコーディネートに。パンツは幅広でウエストを絞ったデザインを取り入れています。透け感やウエストを絞ったデザインは、これまでの愛子さまにはない新しいスタイルですね。

シューズは爪先の色を変えたコンビのデザインですが、このデザインは雅子さまもお好きでよく取り入れられているものです。雅子さまのお好みに倣って、愛子さまもこうしたデザインを取り入れているのでしょう。

アクセサリーは、愛子さまのイニシャルである“A”のモチーフのペンダントに、パールのイヤリング。ペンダントの先端にもパールが施されていますね。

コロナも落ち着いてきて、これからご学友と一緒に過ごされる日々にワクワクしているような、そんな心の軽やかさも感じるようなコーディネートです。
 

21歳のお誕生日のポートレートは
愛子さまらしい「上質な素材」と「落ち着いた色合い

2022年12月1日、愛子さまは21歳に。写真/宮内庁提供

石原裕子さん:細番手のカシミアのニットに、ダークチョコレートカラーのジャージー素材のジャンパースカートを合わせたコーディネート。スカートの丈はフルレングスで落ち着いたデザインです。カラーリングは優しい印象ですが、肩口やウエストなど、全体にステッチを効かせたジャンパースカートのデザインでキリッとさせています。

ニットは首元を3重に折っていますが、そうしていても苦しくない、薄く柔らかな素材のようです。日頃からゆったりとした上質な素材のものをお召しになることが多い愛子さまですが、ご自身が着ていて心地が良いような、上質で肌あたりのよい素材のものがお好きなのかもしれません。

ジャンパースカートは、どこかアットホームで幸せな印象を与えるアイテムです。落ち着いた色合いとおだやかな雰囲気は、慈愛に満ちてしっとりとした愛子さまのお人柄にぴったりですね。

ハートのペンダントはご友人からの贈り物だそうですね。アクセサリーも落ち着いた可愛らしい印象です。

愛子さまは背も高めですから、フルレングスのパンツにフラットシューズといった装いも、バランスよくお似合いになります。
 

佳子さまのお誕生日のポートレートは、トレンドを取り入れたワントーンコーデで

28歳のお誕生日に公開されたポートレート。写真/宮内庁提供

石原裕子さん:佳子さまの私服のコーディネートは、一言でいうと等身大のコーディネート。トレンドも取り入れながら、ご自身のお好みを反映した、若い女性らしいスタイルですね。

こちらのコーディネートは、色味をずらしたワントーンコーデ。白い厚手のニットに、同じく白いフードのコートをお召しになっていて、スカートとブーツはトーンの違うベージュをあわせています。すべて白でまとめるとモードな印象が強くなってしまうので、色味をずらして、全体的にパウダリーな印象のカラーリングにするあたりに、佳子さまのセンスを感じます。

親しみやすい可愛らしいコーディネートですが、このスタイルのポイントとなっているのは、実は髪型なのではないかと思うのです。これまで、ロングヘアを巻いたスタイリングや、編み込みやアップヘアのスタイリングが多かった佳子さまですが、今回は髪を短くされ、ナチュラルなウェーブの髪型にされています。軽やかですっきりとした髪が、このコーディネートの可愛らしさをより引き立てているように思います。

プリーツスカートは近年の流行ですね。きちんとした印象がありながら、シワも気になりにくくて、動いたときの揺れ方も可愛い。一般の私たちも、そんな使い勝手の良さから手に取ることが多いアイテムです。そういった今時の女性たちの気持ちとリンクしたアイテム選びも、佳子さまのコーディネートの魅力のひとつかもしれません。

ご公務で活躍される場面も一層増えている佳子さまですが、以前にくらべて、ご自身のお好みを表したコーディネートが増えているように思います。ご自身らしいスタイルで臨まれるようになってきたのかもしれませんね。
 


石原裕子(いしはら・ゆうこ)
ファッション評論家。長年に渡りパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのプレタポルテコレクションを取材し、世界のファッション業界事情に精通している。即位関連の一連の儀式の間、メディアで雅子さまの装いを分かりやすく解説。現在、テレビ・雑誌・講演などで活躍中。「ファッションチェック」という言葉の発案者でもある。

 

【愛子さま秘蔵写真】ご幼少のころから現在まで、21年のひととき
▼右にスワイプしてください▼

1 写真/JMPA
2 毎日新聞社/アフロ
3,4 写真:代表撮影/ロイター/アフロ
5,6 写真/JMPA
7 写真/JMPA・光文社
8 写真/JMPA/小学館
9 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
10 写真/ロイター/アフロ
11,12,13,14 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
15 写真/AP/アフロ
16 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
17 写真/代表撮影/ロイター/アフロ
18 写真/代表撮影/AP/アフロ
19 写真/毎日新聞社/アフロ
20 写真/読売新聞/アフロ
21 写真/ロイター/アフロ
22 写真/JMPA・光文社
23 写真/JMPA/光文社
24 写真/JMPA/新潮社

キャプションは過去の資料をあたり、敬称・名称・地名・施設名・大会名・催し物名など、その当時のものを使用しています。

構成・文/熊木彩乃


【関連記事】
【雅子さま・愛子さま】繊細な手仕事と技巧が光る!天皇誕生日一般参賀のドレスを紐解く~2023年-1999年~>>

 存在感を増す愛子さま、佳子さまの素顔「皇族として生きる自覚と覚悟」 >>

【天皇ご一家の品格ある装い・2022〜2023】皇后として輝きを増す雅子さま、成年皇族となられた愛子さまとともに>>

前回記事「【雅子さま・愛子さま】繊細な手仕事と技巧が光る!天皇誕生日一般参賀のドレスを紐解く~2023年-1999年~」はこちら>>