今の自分は、世間を騒がせた“お家騒動”あってこそ


本書の巻頭には、「十和子さんのこれまで」という、君島さんの人生を振り返ったページがあります。10代で「’85年JAL沖縄キャンペーン」に選ばれ、女優として活躍し、結婚を機に引退した20代、子育てとコスメブランドの立ち上げや、美容家としての活動に多忙だった30代から40代、そして、新たなことに積極的に挑戦した50代と、波乱の人生を歩んできたことが記されています。あえてひとつターニングポイントを挙げるとすれば、結婚直後に巻き込まれた、“お家騒動”だという君島さん。

「あれだけ世間様を騒がせてしまい、女優時代よりも高い注目を浴びることになりましたが、私も夫もすごい社会勉強をさせてもらったと思っています。いろんなところから石つぶてが飛んでくるような状態で、その交わし方や立ち直り方が身についたのは、あの時の経験あってのこと。胆力みたいなものが身について、それが今のエネルギーになっているのは確かなんです」

 

メディアに追いかけ回される中で結婚生活が始まり、さぞ大変だったのではないかと思いきや、君島さんは「そう悪くないんですよ」と笑顔で答えます。

 

「私が嫁いだ時、主人の母から何も期待されていませんでした。だから、お米を研いだだけでも褒められたくらい。そんな人なかなかいませんよね?」

仕事を持つ一人の女性、二人の娘の母、夫とともに歩む妻、美容家など、さまざまな顔を持つ君島さんは、いつも全力で頑張り続けてきました。だからこそ、多くの人たちの心をつかみ、自らも強い輝きを放っています。その根っこには、逆境で培われた胆力があったのです。
 

【インタビュー後編】
スマートフォンの動画で自撮りした自分の姿に愕然!50代から始めた、美容と健康のためにやっていること。>>
 

<書籍紹介>
『アラ還十和子』

君島十和子(著)
発売日:2023年4月20日
価格:1600円(税別)
出版社:講談社
A5サイズ 144ページ

たおやかな美貌で憧れを集める一方で、TVのバラエティ番組では激辛料理やバンジージャンプに挑戦したり、インスタライブですっぴんを披露するなど、新たな一面で私たちを魅了する君島十和子さんの7年ぶりの著作。育児と仕事との両立、子どもの反抗期、義実家やママ友との付き合い方、大人世代のスキンケアやメイク方法、そして更年期。多くの女性たちが直面する悩みについて、自信の体験を踏まえて語った7年ぶりのライフスタイル本。


撮影/山本倫子
ヘア&メイク/黒田啓蔵(Iris)
スタイリング/後藤仁子
編集・取材・文/𠮷川明子