「椿姫」はオペラの中のオペラ
娼婦の人生最後の純愛に立ちはだかる「世間」の壁


パレルモ・マッシモ劇場来日公演のもう一つの演目は、世界でも圧倒的な人気を誇る「椿姫」です。

このオペラは、社会の裏側で生きる高級娼婦ヴィオレッタを描いています。体はすでに病魔にむしばまれています。青年アルフレードから思いを寄せられて人生最初で最後の純愛を得たと思ったのも束の間、「世間」が娼婦である彼女の幸せを許しません。
恋愛のオペラだと思われがちですが、娼婦と同棲している息子の世間での評判と家族への影響を気にして2人を別れさせる、アルフレードの父とヴィオレッタの対決がこのオペラの軸といえます。現代にもある女性の生きづらさ、困難な環境から浮上することが難しい格差の問題にも通じる内容で、女性にこそ観てほしい(もちろんそれ以外の方々も)。

チケット数枚分のお得感!名作オペラ「椿姫」「ラ・ボエーム」の魅力に迫る【パレルモ・マッシモ劇場来日公演】_img5
 

アルバニア出身のソプラノ、ヤオが、大河ドラマ的なこのオペラのヒロインを演じます。ヤオは世界の有名歌劇場でヴィオレッタを歌っており、漫画『ガラスの仮面』の主人公北島マヤのように、役柄に完全に憑依します。迫真の歌と演技に、観客はヴィオレッタの気持ちになりきってしまうことでしょう。

チケット数枚分のお得感!名作オペラ「椿姫」「ラ・ボエーム」の魅力に迫る【パレルモ・マッシモ劇場来日公演】_img6
「千の仮面」を持つ(?)歌う女優エルモネラ・ヤオ

アルフレード役は、こちらもイタリアを代表するテノール、フランチェスコ・メーリが務めます。イタリア・オペラの殿堂ミラノ・スカラ座を始め、世界の有名歌劇場の常連歌手です。先ほどのグリゴーロとはまた全くタイプが違うテノールで、作曲家が意図したような端正な演奏を聴かせてくれます。オペラ公演とは別に、ソロのコンサートも予定されており、本場イタリアのオペラ歌手の美しい歌いまわし、声やテクニックをたっぷりと味わいたい方には、こちらもおすすめです。

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本物のイタリア・オペラの響きを真摯な歌で観客に届ける、フランチェスコ・メーリ

「ラ・ボエーム」も「椿姫」も、原語のイタリア語上演ですが、日本でのオペラ公演にはステージ両脇に字幕が表示されるのでご安心ください。でもせっかくならできるだけ舞台の方に目を向けたいので、お話の展開を事前にネットなどでチェックしておくのが、オペラをより楽しむコツです。オペラは「ネタバレ上等」です。

 

オペラは初心者こそ本場のものを観てほしい、というのが愛好家としての願いです。
質の高い公演こそ、オペラのさまざまなパーツがカチッとはまったときの大興奮を伝えてくれます。世界で大活躍の歌手たちが集結したパレルモ・マッシモ劇場来日公演は、本当のオペラの魅力を伝えてくれるまたとない機会です。あなたもオペラ体験してみませんか。

公演情報

パレルモ・マッシモ劇場来日公演 東京文化会館大ホールプッチーニ作曲「ラ・ボエーム」
 会場:東京文化会館大ホール
公演日:2023年6月15日(木)18 :30開演 6月17日(土)15 :00開演 
入場料:S席39000円 A席32000円 B席26000円 C席20000円 D席14000円(すべて税込み)

会場:滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール

公演日:6月22日(木)18 :30開演
入場料:SS席32000円 S席27000円 A席22000円 B席18000円 C席15000円 D席11000円(すべて税込み)
※びわ湖ホールの出演者は6月15日、17日と異なりますのでご注意ください。
【ミミ】フランチェスカ・マンゾ、【ロドルフォ】イヴァン・マグリ、【ムゼッタ】ジェシカ・ヌッチオ、【マルチェッロ】フランチェスコ・ヴルタッジョ
 


ヴェルディ作曲「椿姫」
 会場:東京文化会館大ホール
公演日:2023年6月16日(金)18 :30開演 6月18日(日)15 :00開演
入場料:S席34000円 A席28000円 B席22000円 C席17000円 D席12000円(すべて税込み)
 


フランチェスコ・メーリ プレミアムコンサート
会場:東京オペラシティコンサートホール
公演日:2023年6月28日(水)19 :00開演
入場料:S席 16000円 A席12000円 B席 8000円

出演
テノール:フランチェスコ・メーリ
指揮:フランチェスコ・イヴァン・チャンパ
オーケストラ:東京フィルハーモニー管弦楽団

チケットのお問い合わせ先
コンサート・ドアーズ tel. 03‐3544‐4577(平日10時~18時) 
www.concertdoors.com
 

【写真】椿姫、ラ・ボエームほか名作オペラの世界を堪能!
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作画/Sumi
 

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