「これだけのことができるなら、東京へ」


今井さんは思い切って20万円ほどの授業料を払い、仕事の合間を縫って少しずつ練習を重ねます。

決して安くはないそのお金を、今井さんは今まさに必要な自己投資と判断して払ったといいます。それはマッサージの技術が「人を癒す」をキーワードにしている今井さんに合っていると直感したからだそう。

スキルを習得したのち、思い切って自宅として古民家を借りて引っ越し、部屋を施術用に整え、知人の紹介のみからリラクゼーションサロンをスタート。すると順調に口コミでお客さんが増えていったといいます。おそらく、今井さんが目の前のお客さんに全力で施術した結果だと推察します。そのくらい今井さんの「お客様を癒したい」という熱量が高いことが取材中に伝わってきました。

「月1万円の副業収入がついに…!」自宅で小さなサロンをオープンしたシングルマザーの熱い野望_img1
 

そして1年が経った頃、技術の最終テストを受けたとき、先生から「あなたにはセラピストの適性がある。これだけのことができるならば、東京でサロンを開けるのでは?」と助言されたことで、さらなるステップに進んでいきます。

 

お客様は「人」についてきてくれる


今井さんが東京にサロンを移そうと考えたきっかけは、先生の言葉以外にもうひとつありました。

「目指すのは、どこにいても『今井さんだから頼みたい』と思っていただけるようなセラピスト。場所は転移しても、本当に施術に魅力を感じてくれたらばついてきてくださると信じていましたし、都心で開業すればより多くの方に来ていただける可能性があると思いました。思い立ったらすぐ行動。不動産屋さんに駆け込んで、内見をして、直感でここ! って今のサロンの場所に決めました。それまでの古民家の倍の家賃でしたが、私なりにうまくいくイメージは持っていました。慎重に考えすぎたら、シングルマザーでお金もなくて、なかなか踏み出せない。だから、ある程度適性があると思えたら、思い切って行動してきました

2023年、今井さんは東京でサロンをオープン。もちろん都心の歯科クリニックで歯科衛生士として働きながら、二足のわらじ生活が始まります。
 

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