日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、HSPの人をめぐるモヤモヤエピソードです。
繊細すぎる同僚に注意したら、驚きの一言
エピソードをお寄せくださったのは、電気メーカーの工場で働くヒカリさん(39歳・会社員)。
先日20代の同僚から、「私、HSPなんです」と告白されました。
彼女はうちの会社が二社目で、一社目はストレスで少し体を壊したとか。うちに来たのは親戚の紹介とのことです。私が住んでいるのは地方なので、彼女のような縁故入社はよくある話で珍しいものではありません。
一緒に働くようになって分かったのですが、彼女の繊細さはちょっと異常なレベル。職場で大きな声で誰かが怒られていたり、納期が迫っている繁忙期にみんながぴりぴりしていたりすると、すぐ具合が悪くなるんです。緊急事態にも弱く、指示がぱっぱっと変わったり強い口調で話されたりすると混乱してフリーズしています。
仕事が落ち着いている時期であれば問題なく働けるのですが、忙しい時ほど調子が悪くなってミスが続いたり休んでしまったり。人と話すのも苦手みたいで、周囲にうまくSOSを出せないんです。
上司にも相談した上で、「みんな大変なときなんだから、もっとしっかりしてね。何か問題があるなら相談してね」と話をすることにしました。そうしたら、「実は私、HSPなんです。ヒカリさんに初めて言いました」と。
繊細な人のことを最近はそう呼ぶんですね。ただ「気が弱い人」と何が違うのか私にはよく分かりません。なんとかしてあげたい気持ちはありますが、仕事をしていればいろんなことがありますし、傷つきやすいからと言っていつもケアしてあげられません。
ちょっと疎ましい……なんて感じてしまう私は、性格が悪いのでしょうか?
一人で抱え込まず、本人に許可をとって上司に相談
思いがけず同僚から重大なことを告白されてしまったのですね。これはなかなか悩ましい状況です。
同僚の方も、「ヒカリさんになら言える」と思ったのか、気力が限界だったのか。いずれにしても、自分の属性をカミングアウトすることでなんとか事態を改善させたいと思ったのではないでしょうか。
HSP(Highly Sensitive Person)とは、視覚や聴覚などの感覚が敏感で、外からの刺激を受けやすい特性を生まれつき持っている人のことを言います。アメリカで提唱されはじめた性質ですが、近年は日本でも関連書籍が刊行されるなど、少しずつ知られてきたように感じます。
HSPは気質であり病気や障害ではないので、薬などで治療することはできないとされています。だからこそ、本人はこの性質とうまく付き合っていかなければならず、ときには周囲の人からの理解や協力も必要になってきます。
【漫画】「私、HSPなんです」って、私に言われても…
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