『さんまのスーパーからくりTV』の名物コーナー『全国かえうた甲子園』に出演し、演歌が好き過ぎる高校生「大江くん」としてお茶の間の人気者に。バラエティー番組では抜群の存在感を見せ、最近ではドラマで俳優にも挑戦。歌手としても『TRY~大江裕J-POPを歌う~』では『ハナミズキ』(一青窈)、『ダンシング・オールナイト』(もんた&ブラザーズ)など様々なポップスのカバーにも挑戦。演歌歌手の枠を超えた活躍を見せています。今年デビュー15周年を迎え、デビュー時から在籍した北島音楽事務所から巣立ちました。大きな節目を迎えた今の心境を伺いました。

 

第1回「「無理だと思っても当たって砕けろ」演歌歌手・大江裕が神様のもとで夢を手繰り寄せた秘訣とは」>>

第2回「「パニック障害は乗り越えるのではなく、うまく付き合うもの」演歌歌手・大江裕の休養から復帰までの道のり」>>

 

大江裕(おおえ・ゆたか)
平成元年11月16日生まれ。大阪府岸和田市出身。演歌歌手。趣味は日本舞踊、ストール収集。高校生の時、『さんまのスーパーからくりTV』かえうた甲子園に出演。演歌がうますぎる高校生「大江くん」としてお茶の間の人気者に。幼いころから神様と崇める北島三郎さんのもとで演歌歌手としてデビュー。バラエティー番組にも多数出演し、強烈なインパクトを残す。

──今年4月に、デビュー当時から長年所属した北島音楽事務所を巣立たれました。すごく大きな変化だと思いますが、どんな心境でしょうか。

大江裕さん(以下:大江):辛いですよね。今年の2月に発売したシングル『時代の海』は北島先生が作詞されたんですが、詞の中に、「親という名のお守り抱いて 人は世間に船出する」という、子どもを旅立たせる親の気持ちが出てくるんです。そういう年になったのかなと思いました。もう北島先生は、演歌界のお父さんですよね。ずっとお父さんと思ってきた方のもとから旅立つわけです。やっぱり巣立ちはしないと立派な人間にはならないのかなと思いますね。

 

大江:北島先生が、俺のそばにいたら俺の名前が先に出ちゃうとおっしゃったんです。北島三郎の大江裕、北島三郎の誰々、こうなっちゃうんです。でも、俺の名前が後ろに行ったらどうなるんだ。お前たちが前に出る形で俺が後ろで支えてやる。これからは大江裕の師匠の北島さんってなるんじゃないか。今まで通りじゃなくて、これからは後ろで、お前たちの支えになってやるっておっしゃったんです。ということは、絆は変わらない。だから、事務所は変わりましたけども、たとえバラバラになったとしても、集まれって言ったときには集まるんです。この前も集まりました。最初、お前たちはもうひとりひとり旅立たせるようにするとお言葉をいただいたときは、何でだろうっていうのは思ったんです。でも、やっぱりこれにも意味があるんでしょうね。

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【写真】「大江くん」からすっかり「大江さん」の風格に
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