年々代謝が衰える40代以降は、どうしても太りやすくなるもの。とはいえ、「食べないダイエット」はさらに代謝を落としてやせにくい体になるだけでなく、げっそりと老けた印象を招きます。
「効率よく栄養をとることが健康的にやせるいちばんの秘訣。代謝がスムーズに行われて、生理機能もきちんと働きます」と管理栄養士の関口絢子さん。そのために積極的にとりたいのが発酵食品です。
「発酵食品は微生物によって分解された食品。分解されることで消化吸収がよくなり、また新たな栄養素が生み出されます。微生物の種類によっては腸内の善玉菌に働きかけて、排出力を高める効果も。一日の推奨量はありませんが、何かしらを毎日とりたいですね」
この連載では8回に渡って、ダイエットのために取り入れたい発酵食品とおすすめの食べ方をご紹介。第5回目は「味噌」です。
腸内環境を整えるだけではない、味噌のたんぱく質にも注目!
私たち日本人の食卓にかかせない調味料「味噌」。特に味噌汁には、健康的なイメージを持っている人が多いと思いますが、「実はダイエット効果も期待できる食品」と関口さん。
「味噌は大豆と塩と麹で作られた発酵食品。つまり大豆由来のたんぱく質が豊富なんです。たんぱく質は大人のダイエットに欠かせない栄養素。しっかりとることで筋肉が合成されやすくなります」。筋肉量を増やすことで基礎代謝が上がり、脂肪が燃えやすい、つまりやせやすい体になれるということ。「さらに発酵によってアミノ酸やビタミンもたくさん作られているので、味噌は栄養的にも大変優れた調味料といえます。不足しがちな栄養を補えるので、ダイエット中にこそ選びたい調味料が味噌といえます」
もちろん発酵食品なので腸活の効果も期待できます。「特に味噌は、調味料のなかでもとても食物繊維が豊富です。発酵による相乗効果で、腸内環境を整えることができるでしょう」
さらに関口さんが注目しているのが「メラノイジン」という成分。「味噌は発酵・熟成の過程でだんだんと色が濃くなってくるのですが、その過程でできるのが『メラノイジン』。これは強力な抗酸化物質として近年注目されている成分です」。もちろん大豆そのものにも抗酸化作用はあるのですが、発酵によって味噌になることで、はるかに高い抗酸化力があるこが発表されているそう。ダイエットには直接、関係はないけれど、アンチエイジングのためにもミモレ世代には抗酸化物質をしっかりとっていきたいところです。
「ちなみに白みそは、麹、つまり米の分量が多く、味噌の色が濃くなればなるほど、『メラノイジン』とたんぱく質の量が増えます。きれいにやせる、という意味では、濃い色の味噌がおすすめです」
おすすめレシピ①豚汁、又はもずくの味噌汁
「味噌を使った料理で最も一般的なのは、味噌汁。味噌汁にすると味噌本来の栄養だけでなく、具材の栄養や効能も取り入れることができます。例えば、豚汁はとても具沢山なので、食物繊維やたんぱく質をはじめとしたたくさんの栄養を摂ることができます。手軽に済ませたいときは、もずくの味噌汁もおすすめです。水溶性の食物繊維を豊富に含むので、おなかをすっきりとさせる効果が高くなるでしょう」
おすすめレシピ②スティック野菜
ちょっとしたおつまみや夏のおやつに便利なのがスティック野菜。マヨネーズやタルタルソースが定番という人も?
「ぜひ、今日から味噌をつけて召し上がってください。カロリーを抑えられるだけでなく、ダイエットに必要な栄養をしっかり補えることができます」
味噌と聞くとやはり気になるのが塩分ですが、お味噌汁に関しては1日に3杯程度だったら問題ないそう。また最近では塩分は摂取量よりも排出されないことが問題になっていて、味噌の塩分は、味噌の力で排出されるという発表も。日本を代表する調味料、味噌をもっと日常的に取り入れていきたいですね。
関口絢子さん料理研究家・管理栄養士・インナービューティスペシャリスト。
“食を通じて世の中を元気に健康にしたい”をモットーに、すぐに実践したくなるお役立ち情報を発信。エビデンスに裏付けされた、美と健康に関するお悩み解消レシピに定評があり、なかでも登録者数43万人越えのYouTube「管理栄養士 関口絢子のウェルネスキッチン」が人気。
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写真/Shutterstock
構成・文/村田由美子
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