幼少期から芸能界でのキャリアをスタートさせ、数々のドラマに出演してきた俳優の小林涼子さんは、現在なんと9クール連続でドラマに出演中。そんな多忙な俳優業の傍ら、持続可能な農業を目指す株式会社AGRIKO（アグリコ）を起業。AGRIKOでは障害者雇用と、子育てを経験したお母さんの雇用に力を入れています。農業も働き方も「持続可能性」を大切にしたいという小林さんに、なぜ障害者雇用と、お母さんの雇用に力を入れているのか？ その背景についてお話を伺いました。
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「花開けなかった20代は「暗黒史みたいな時期」。俳優・小林涼子さんが「農業」で起業した理由」＞＞
小林涼子（こばやし・りょうこ）さん
1989年11月8日東京都出身。昼ドラ「砂時計」「魔王」でヒロインに抜擢、以降も多数のドラマや映画などに出演。直近の主な出演作品は、映画「わたしの幸せな結婚」、4月期TBS火曜ドラマ「王様に捧ぐ薬指」、7月スタートテレビ朝日系木曜21時「ハヤブサ消防団」出演。9クール連続でドラマに出演し話題を集める。様々な経験を生かしJ-WAVEラジオ「STEP ONE」の火曜ナビゲーターとしても活躍。また、俳優業の傍ら、2014年より農業に携わる。家族の体調不良をきっかけに株式会社AGRIKOを設立。農林水産省「農福連携技術支援者」を取得し、自然環境と人に優しい循環型農福連携ファーム「AGRIKO FARM」を開設。「Advertising Week Asia 2023」で開催された「Future is Female Awards」では、“次世代の活躍を担うファイナリスト10人”に選出。
「お母さんはすごい」。尊敬の気持ちから生まれた雇用
——子育てを経験された“お母さん”の雇用を積極的に行っているそうですね。なぜお母さんの雇用をしようと思ったんでしょうか？
小林涼子さん（以下：小林） AGRIKOが運営する農園のサポートをどんな人にお願いしようか、ずっと考えていました。農家の方々で、90歳を超えた方がすごく活躍されているのも見ましたし、私の母も本当にマルチタスクな人だったんです。母親という仕事は、社会で言うところの“ワークキャリア”ではないかもしれないけれど、ある意味「家族という名の組織運営」をしている人だと思うんです。まさに自分の母のような人たちと会社を作っていきたいな、という思いから、主に子育て世代の女性たちの雇用に至りました。
——実際に、お母さんたちと働いてみてどうですか。
小林 本当にすごいです。葉っぱの状態を丁寧に見極めて手入れをしてくださったり、農業についても積極的に学んでくださって。何より一番びっくりするのは、対人関係の部分、ノンバーバルコミュニケーション（非言語コミュニケーション）スキルの高さですね。
障がい者の方の中には、調子が悪くてもうまく伝えられなかったりする方もいるんです。でも、そんなときの「体調悪いんじゃない？」「無理してない？」っていう声かけが的確で。それに、何回でも教えてあげられる姿勢がすごく素敵だなと思っているんです。障がい者の中には文字が書けない方もいるんですが、何度も優しく教えてあげてるうちに、いつの間にか書けるようになっていたり。iPadが使えなかった方も使えるようになっていて。聞いたら、「毎日一緒に練習しました」って。
そうやって根気強く教えられることは本当にすごいと思います。
2拠点目となる都市農園「AGRIKO FARM 白金」が9月5日に開園！
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