マンガ『沈黙の艦隊』といえば、1988年から1996年まで「モーニング」で連載され、紙・電子の累計発行部数3200万部を誇る人気漫画。日米共同で極秘裏に建造された、日本初の原子力潜水艦シーバットをめぐる軍事サスペンスです。核戦争や国際政治、世界平和などのテーマが盛り込まれた重厚な作品で、各方面から注目を集めました。約30年の時を経て、9月29日(金)に映画『沈黙の艦隊』が公開されます。
防衛省と海上自衛隊が全面協力! 本物の潜水艦を使って撮影。
物語のはじまりは、千葉県犬吠埼沖で発生した、海上自衛隊潜水艦の海難事故。海上自衛隊の潜水艦「やまなみ」がソ連の原子力潜水艦と衝突して沈没、「やまなみ」艦長の海江田四郎二等海佐以下全乗員76名の生存が絶望的という事故で、日本に大きな衝撃を与えます。
実はこの海難事故は偽装で、海江田以下、「やまなみ」の乗員は全員生存しています。日米共同で極秘裏に建造された日本初の原子力潜水艦「シーバット」の乗組員に秘密裏に選ばれていたのです。
アメリカ海軍第7艦隊所属となった日本初の原潜「シーバット」は、海江田の指揮のもと高知県足摺岬沖での試験航海に臨むのですが、海江田以下、乗員76人は、この原潜とともに航海中に逃亡。その後、海江田を国家元首とする独立国家「やまと」を名乗り、最新鋭の原潜、核兵器の脅威、天才的な操舵術を武器に、日米ロをはじめとする、国際社会に反旗を翻していくことになります。
原子力潜水艦の海中バトルという本作は、長らく“実写不可能”と思われてきました。しかし、主演でプロデューサーも務める大沢たかおさんが並々ならぬ熱意で本作に挑み、原作のかわぐちかいじさんへのプレゼンテーションを自ら行いました。さらには、防衛省と海上自衛隊の協力も得て、邦画では初めて実物の潜水艦を撮影することが可能になったのです。
「本編の一部はアニメになっていますが、物語の端緒からの映像化、実写化は初めて。ストーリー、アクションを含めて連載当初から『実写化は不可能』を目指して執筆してきたかわぐちかいじさんですが、プロデュースもされている大沢たかおさんの情熱にほだされたのではないでしょうか」
そう話すのは、かわぐちかいじさん担当編集者のモーニング編集部・田渕浩司さん。原潜「シーバット」の艦長を演じる大沢たかおさんを筆頭に、「シーバット」を追いかける海上自衛隊のディーゼル潜水艦「たつなみ」艦長に玉木宏さん、「たつなみ」の腕利きソナーマンにユースケ・サンタマリアさん、報道ニュースキャスターに上戸彩さん、海上自衛隊の潜水隊員に中村倫也さんなど、豪華出演陣にも注目が集まっています。
「キャストの幅と厚みも注目です。あまりにも素晴らしいので全巻別キャスト『新装版 沈黙の艦隊』実写フル帯付きも制作しました!」(田渕さん)
【写真】『新装版 沈黙の艦隊』実写フル帯をすべて公開!
映画『沈黙の艦隊』の全国劇場公開を記念して、実写フル帯付きの原作コミック『新装版 沈黙の艦隊』(全16巻)が発売中。1、2巻はスペシャルプライス550円(税込)で発売。1巻のフル帯は海江田四郎役の大沢たかお、2巻は深町洋役の玉木宏。
監督は、2022年に劇場公開された『ハケンアニメ!』で数々の受賞を果たした吉野耕平さんで、製作は日本の劇場版映画を製作するのは初となるAmazonスタジオ。撮影に本物の潜水艦を使用する上に、最新のVFX技術を駆使し、迫力の映像を実現しています。
「実写もCGも邦画として見たことのないレベルに仕上がっています。試写の直前に『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』を観たのですが、潜水艦のシーンは私見ですが、こっちの勝ちです(笑)。何より注目して欲しいのは、かわぐちかいじさんをして“天才”と言わしめた、吉野耕平監督の構成と演出です。言葉を抜きにして今起きていることを直感的に理解させてくれ、疾走感も情報量もマックスのまま走り切る2時間をぜひ味わってほしいと思います」(田渕さん)
【漫画】1年間限定で『沈黙の艦隊』第1〜2話を試し読み!
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『沈黙の艦隊』
かわぐちかいじ 講談社
日米は、世界でも類をみない高性能な原子力潜水艦「シーバット」を、極秘裡に造り上げる。日本によって資金、技術提供をされた日本初の原潜であったが、米第7艦隊所属という、数奇の宿命を背負った落とし子でもあった。艦長には、海上自衛隊一の操艦と慎重さを誇る海江田四郎が任命された。しかし、海江田は試験航海中に指揮下を離れ、深海へと潜行、突如反乱逃亡をする!原潜、核兵器、国家、戦争、そして…真の平和とは!?激動の20世紀末、人類最大のテーマに挑む最高傑作!
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