私は13年ほど俳優さんのインタビューをする仕事をしていますが、未だに慣れることはなく、毎回、学ぶところがあって、面白さを感じています。
やはり「芸を磨いている人たち」だからこそ、ある意味、職人さん的な魅力がある人も多く、私たちにとっても参考になるところが多いのです。

 
 

厳しい現場で通用する人は、精神が強い


「俳優」とはいっても、色々な場で活躍している方がいらっしゃいます。私の場合は担当している媒体のコーナーの特徴もあり、特に、映画でメインやサブキャラクターを演じていらっしゃる方にお話を伺うことが多いです。

個人的には、「映画の現場で通用する人は、精神を鍛え上げられている人は多い」と感じています。映画の現場は、監督はもちろんのこと、大道具さん、衣装さん、メイクさんなど、プロフェッショナルの人たちが集まる場なので、そこで“通用する人”でいることを求められるからです。

とはいえ、私たちが触れる作品は、商業的なものが多いので、正直に言ってしまえば、俳優さんもただただ実力があれば売れるようなシンプルな世界ではないでしょうし、ひいきだってあるとは思います。

ただ、少なくとも、「実力がないと生き残れない世界」だとは言えます。実力が良くも悪くも作品に出てしまうからです。

どんなに人気者であっても、どんなに主役を張っていても、ある日突然、仕事のオファーがなくなることはあります。だからこそ、日々、自己を磨き、進化し続けている人が長く活躍されている、厳しい世界なのでしょう。

そんな魅力ある俳優さんをインタビューしてきて、特に4つのことを学びました。

俳優さんの魅力1:芸事を愛している


「人気者になりたいから」「売れてお金持ちになりたいから」「有名になりたいから」といった理由だけで、俳優になることを目指す人は意外といます。
でも、本当に俳優として第一線で活躍されている方々は、もっと純粋に「芸事を愛している人」が少なくありません。

たとえば、劇団出身の俳優さんなどは、「役者で食べられなくても、ずっと続けていた」とおっしゃる人は少なくありません。
バイトで生計をたてながら劇団をやっていたくらいです。ただただ舞台の上で演じることが好きな方が多いのです。
俳優業では食べていけなくて、一度、会社員になっても、やはり演じることをやめられなくて、戻られた方もいらっしゃいますしね。

また、売れている俳優さんほど、自分が目立つ以上に「いい作品を作ること」を大切にされる方は少なくありません。「自分が、自分が」ではなく、作品の一部になろうとすることが、結果的に評価され、俳優として求められるようになっているのです。
「お客様を楽しませたい」と思っている、エンターテイナーとして“本物の人”が多いのです。

それは、「俳優」という職業に限らず大事なこと。私たち自身も、自分の出世や利益ばかりを考えずに、純粋にその仕事を愛し、「お客様(読者さん)のほうを見て行動をしているのか」というのが問われるものだと言えるでしょう。

撮影現場は、多くの人が携わる場所だからこそ、“ある能力”が求められます。それについては、次のページで紹介します。

次ページ▶︎  現場で求められる“ある能力”とは?

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