Q4. 試験販売する薬局の条件について
・原則、研修を受けた薬剤師がいる
・夜間や土日祝日の対応が可能
・近くの産婦人科などと連携できる
・個室があるなどプライバシーが確保できる
上記4つを満たす薬局で試験販売されるそうですが、この条件についてどう思いますか?(選択式回答)


・これらの条件で十分だと思う⋯⋯64.5%
・条件が多すぎると思う⋯⋯25.8%
・これらの条件では不十分だと思う⋯⋯9.7%

 


試験販売する薬局の条件は、6割が「これらの条件で十分」だという結果に。また、「女性の担当者がいてほしい」という提案も。
 


Q5. この「緊急避妊薬(アフターピル)」の試験販売についてあなたの意見・感想を教えてください。(任意・自由記述式)

賛成する声
・必要とする人がアフターピルに手軽にたどり着けるようになったのはいいことだと思います。

・アフターピルが今まで薬局で売られていなかったことが驚きです。生まれたばかりの赤ちゃんを殺したり放置したりする事件を見るたびに心が痛み、なぜ女性がこのような目に合わなくてはいけないのかと思っていました。日本は低用量ピルですら一般に処方されるようになったのが2000年以降なのに対し、バイアグラは1990年代に使用が許可されたとのことで、これまで女性の権利が阻害されすぎていたと感じました。

・このまま早く本格導入されて、女性が妊娠の自己決定権を持てる状態にしてほしいです。ただ、値段と年齢制限の観点から、本当にアフターピルが必要な人に届かないのではと心配になります。

・アフターピルが簡単に手に入るようになったら、安易な性行為が増えるのではないかと心配でしたが、今回の記事を読んでみて、望まない妊娠の場合には救われる方もいるのではないかと思いました。

・自分で自分の体に決定権を持てると良いと思うので、賛成です。あわせて先に書いたような「女性も自分の体に対する決定権がある」という概念自体を日本社会に浸透させていくために、教育や忖度のない報道が展開されてほしいと思います。まずは制度を整えて、この概念を日本社会で醸成していきたいです。時間がかかるかもしれませんが。
 

懸念点もあるとの声
・必要な人に薬が届くのは良いと思います。しかし誤った使用にならないかという心配もあります。

アフターピルを処方してもらった人の体験談
・私自身、娘がいるので、アフターピルを薬局でスピーディーに買える選択肢があることを説明できるところまで来たことが心強いです。あとは、購入可能な薬局が素早く検索できるようにしてほしいです。
実は私も、一度だけアフターピルを処方してもらったことがありますが、その時の価格に比べたら、7000〜9000円は妥当かと思いました。

・アフターピルにこれまで2、3回お世話になっています(すべてアメリカ在住時)。初回は20歳を過ぎていましたが、薬局ではなく大学のクリニックで処方してもらいました。その後、20代後半で2回、どちらも薬局で買いました。確かに個室で「なぜ必要なのか」について聞かれました(レイプされたのではないか確認の意味だったのだと思います)。正確な値段は覚えていませんが、「ちょっと高いな」と思った記憶があります。でも、少し高いぐらいの方が、アフターピルに頼ってしまわないようにするためにも良いかと思います。ただ、そういったプロテクションの責任・コストを背負うのが女性だというのが問題だなとも感じます。
 

処方する病院側の声
・婦人科の看護師としてドクター指示により処方し、説明する立場でした。想像以上に広い年齢層で使用されており、10年近く在職していた間、服用後大きな副作用などのトラブルを聞くことはありませんでした。しかし、毎月のように一般薬のように処方を希望される方もいて、安易に購入できる妊娠回避薬と認識されるのは、身体に悪影響だと強く感じています。
緊急避妊薬は、自分の意志とは反する暴力から自分自身を守るためにも必要だと思います。しかし、薬を使用する以前に、避妊具の使用を徹底することや、処方後のデメリットを踏まえて処方することが大切だと感じています。

 

もっとこうだったら⋯⋯という提案
・保護者がいなくても販売が必要な時があるのではないでしょうか。また、学校の保健師などが然るべき医師や薬剤師に繋げるルートも検討してほしいです。価格帯も、無料からある程度の価格まで、と幅があっても良いと思います。

・産婦人科が少ない昨今、個室を持つなど条件を満たす薬局が果たしてどのくらいあるのかが気になります。
一方で、販売対象年齢とも絡みますが、病院や親に打ち明けられない16歳未満にこそモーニングアフターピルが必要な場合もあるのではないでしょうか。
この場合は母体のケアも必要だと思うので、医療との連携が必須だと思います。

・センシティブなことなので、薬局には女性の担当者がいることも条件になっていると良いと思います。緊急時にさっと入手することができること自体はとても賛成です。

・試験販売に持ち込めただけでも前進です。ルールについてはこれから議論を深めていけばいいと思います。あと、価格は絶対に引き下げてほしいです。保険適用も検討してもらいたいですね。

・それで救われる方が少なからずいるのだろうと思いますが、服用後のフォローまで含めて販売してほしいと思います。

・やむを得ない事情の時に、アフターピルという救済措置があるとないのとでは、本人の精神的な不安が全く違うと思うので私は賛成です。ただし、そうは言っても100%の避妊ではないことや、数日後に生理がきた時に腹痛や子宮の違和感が伴う場合があるなどのデメリットもきっちりと伝えていく必要があると思います。

 



今回の「アフターピル」のアンケートについては、実際に服用した人の体験談を知ることができたことに加え、副作用などのデメリットについて十分に説明・周知をしてほしい、という当事者目線での意見が挙がったのが大きなトピックでした。
安易に服用されることが懸念される一方、女性が妊娠の自己決定権を持つことができるための大きな一歩となったことは確かです。この試験販売は、2024年3月末までを予定しているとのことで、今後どのような結果と議論がなされるかに注目していきたいですね。

次回の「〔ミモレ編集室〕にミドル世代の常識・意識を聞いてみた!」もお楽しみに!
 

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写真:Shutterstock
文・構成/大槻由実子

 

 

 

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