『夕暮れに、手をつなぐ』海野音(永瀬廉)


『愛していると言ってくれ』の晃次に、『ロングバケーション』の瀬名に、『半分、青い。』の律に……わたしはやっぱり、北川悦吏子作品に登場する男の子が好きなんですよね。破天荒なヒロインに振り回されても、「これが惚れた弱みってやつだなぁ」と笑っているようなタイプ。音も、九州出身の野生児・空豆(広瀬すず)に翻弄される巻き込まれ型のキャラクターでした。

 


わたしがいちばんときめいたのは、第4話。音よりも1週間はやく産まれた空豆が、「音がこの世におらん7日、さびしかったと」とつぶやく場面。音は、「なに言ってんの」と茶化すわけでも、「なにそれ」と突っぱねるわけでもなく、「なんてこと言うの?」と切なくつぶやいたんです。この音の破壊力たるや。いま思い出しただけでもときめきが止まりません! 


さらに、空豆が「手の届かん人になると? 遠くへ行ってしまうとかね?」と聞いたときに(音はアーティストとしてのデビューが決まっていました)、シャボン玉を吹きながら「行くわけねぇじゃん」と言った音も最高でした。うわ、これ絶対に行ってしまうやつじゃん……と。音は、北川作品がお好きな方には確実に刺さるキャラクターだと思います。