管理職は「外で活躍する」若手を後押しすべし!

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——古屋さんは本の中で、若者は社外の勉強会に参加するなど、外部での教育機会を得ていく重要性についても触れられていました。若者からしたら、「外部での学びを後押ししてくれる会社」の方が魅力的に感じますよね。

古屋:問題は、マネージャーや管理職の方たちの意識の違いかもしれません。彼らは世代的に、社外で経験を積む“越境”の経験がない、または乏しいということがあります。叩き上げであればあるほど、越境の経験がないんです。なぜかというと、昔の感覚でいえば、社外に活動の場を広げるような「越境する人」って、社内では「いまいちな人」とみなされていたから。つまり、「自分の会社で評価されてないから、その鬱憤を晴らすために外でやる」みたいなイメージだったんです。

今は、まったく逆。いろんな環境で活躍できる人ほど、間違いなく優秀です。ですから、マネージャーや管理職の方も、まずは常識の転換が起きていることを理解する。そして、若手には、外での学びの場を積極的に提供していくべきなのです。


インタビュー後編は1月31日公開予定です。

 
 

『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか “ゆるい職場”時代の人材育成の科学』
著者:古屋星斗 日経BP 1760円(税込)

会社で成長実感が持てない若者たちと、若手社員を引き止められない上司たち。豊富な独自調査とヒアリング結果を紐解きながら、若手を活躍させられるマネージャーになるにはどうしたらいいかを著者が考察します。「ゆるい職場」を「ふるい職場」に戻すべきではない理由、世の中の「若者論」の間違いなど、社会や世代への“思い込み”にも気づける一冊。


取材・文/ヒオカ
構成/金澤英恵