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死ぬまでの12年間、理想の生き方・過ごし方は? 予防医療最前線はパーソナライズされた対話と問診から

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年齢を重ねて、怖いのは機能障害!

世界初! わずか10秒で立ったまま全身のCT撮影も可能(6階の予防医療メンバーシップ専用)。その他、最新のMRIや画像検査機器を導入。専門外来とスピーディに連携しているのも魅力。

入江 とはいえ、ミモレ読者の年代だと、本当に歳を重ねたときのことはピンときていなかったりします。長く健康でいるため、今からどういうことを心がけるといいですか?

高石 医師や看護師などの医療スタッフと十分に対話し、適切な検査を受けて頂くことにより、まずは自分の身体について知って頂くことから始まると思います。そして自分の身体に合う適切な生活習慣を、日常の生活に加えていくことが大切です。

藤本 それが予防にもつながるんですね。健診して終わっては意味がないですもんね。

高石 また皆様は、人が亡くなる原因というと、がん、心臓病や脳血管障害といった病気を考えるじゃないですか。でも実は、機能障害で亡くなる高齢者の方がとても多いのです。たとえば脚の筋肉が衰えてつまずいて転倒したり、お餅のような食べ物を喉に詰まらせたり、お風呂に入っていて溺水するなど、機能が障害したり低下して亡くなる方がとても多いのです。

藤本 私、病気のことばかり心配していました……。

高石 「フレイル」という言葉を聞いたことがありますか? 「虚弱」という意味で、「身体のフレイル」という筋肉が衰えた状態や、精神が衰えるうつ病や認知症などの「心と認知のフレイル」などがあります。

入江 フレイルを放っておくと、機能障害に進むわけですね。機能的な衰えは検査で発見できるんでしょうか?

高石 従来のCTは寝ている状態で撮影するものでしたが、私達のセンターには、身体のフレイル評価のために、立った状態で全身を撮影できる最新の立位CT(低被爆)を開発して導入しました。健康な方は立った状態で日常生活を送っていますので、立位での筋肉、骨格、臓器の状態を明らかにする事により、身体の機能障害を早期に発見したいと考えています。

藤本 経年変化をチェックすれば、どれくらい筋肉が落ちているかも分かりそう。

入江 予防のため、今からすべきことは?

高石 筋肉の衰えに関してはやはりトレーニングですね。太ももや腰の筋肉を鍛えれば、転倒を予防できます。嚥下体操などの訓練を行うことにより、将来的な誤嚥や窒息の予防になります。また女性は、骨が弱ることへの対策をしっかり行って頂きたいです。

入江 骨粗鬆症、この世代でも気にしている人は多いです。

藤本 最近運動不足だけど、やらなくては!