「徹子の部屋」のテーマ曲には歌詞があった!? 

写真:Shutterstock

そして、ママが通っていた東洋音楽学校(現在の東京音楽大学)の声楽科に無事合格。トットちゃんは「オペラ歌手になる」という夢だけでなく、モーツァルトのオペラ『魔笛』の中で歌われる「夜の女王のアリア」を歌いたい、という具体的な目標も持ち始めました。ちなみにこの「夜の女王のアリア」の歌唱法は、みなさんお馴染みの「徹子の部屋」にも繋がりがあるのだそうです。

 

「ハァアア アッハハハハハハハ ハー」
あのフレーズの歌唱法はコロラトゥーラ・ソプラノと呼ばれていて、コロコロと転がすような歌い方をする「夜の女王のアリア」は、ソプラノ曲の最高峰といってもよい歌曲だった。

トットは一人のときに歌ってみたことがある。無理することなく高い音を出して、声を転がすことができた。
「コロラトゥーラ・ソプラノを極めたい」
トットの決意は固まった。

ちなみにだけど、『徹子の部屋』のオープニングのあの曲にはもともと歌詞がついていて、「コロラチューラ」という言葉が使われていた。

高い声を出すとき より目にならないように
笑うときはできる限り コロラチューラで
ワサビ カラシ コショウ などは控えめに〜
煙草はとくにぜったい〜 禁物よ〜
お酒はこれはぜったい〜 やめられな〜い

これは、ソプラノ歌手の島田祐子さんと共演していた『即興音楽劇』というコンサートのテーマソングで、「やめられな〜い」のあとに、「ハハハハハハハ、ハハハハハハハ、ハ〜〜」とコロラトゥーラで歌い上げる部分があった。

作詞は山川啓介さん、作曲はいずみたくさんだ。『徹子の部屋』のスタッフが、番組のオープニング曲をいずみたくさんにお願いしたところ、このテーマソングは時間的にも三十秒でちょうどいいから、これを使いましょうということになったのだった。みなさんもぜひ、この歌詞を『徹子の部屋』のあのメロディで歌ってみてください。
 


ルールル♪ ラーララ♪ というハミングのようなコーラスが印象的な「徹子の部屋」テーマ曲に、こんなにユーモアたっぷりの歌詞があったなんて! トットちゃんの東洋音楽学校時代のエピソードには、意外な“トリビア”も隠されていました。