去年の終わりにご自身のオンラインショップを開いたスタイリスト佐藤佳菜子さん。佐藤さんにとってショップを作ることは大きなチャレンジのひとつだったといいます。ショップを始めた理由と、佐藤さんオリジナルの別注アイテムを使ったコーディネートをご紹介いただきます!
 

愛用していた黒バッグの色違いが欲しくてショップをスタート


「そもそもお店を開くつもりなんて全くありませんでした。元々メゾンカナウの黒いバッグを毎日のように持つほど気に入っていて、他の色もあったら絶対買うのにと常々思っていたんです。ブランド側にミニマムで何個から色別注できるか聞いてみたら、なんとか私が手売りできるくらいの数だったので、試しにネイビーのバッグを作ってみることに。

売りものはバッグひとつしかないので、わざわざ外注して立派な売り場を作らなくてもいいかと思い、自分で簡単に作れるというショップアプリに挑戦してみました。やってみたら予想以上にややこしくて、何日もかけてちょっとずつ作業してなんとか形にはなったけれど、最後の最後まで、はっきり言って無事決済ができるかどうかすら不安でした(笑)。

なんとか一回めの商品の発送が終わったときの爽快感は昨今体験したことがないくらい! 学園祭が終わったときのような達成感があり、私にとってはここ最近で一番のチャレンジでした。

私は洋服屋ではなく、ただ洋服を選ぶ人だから、定期的にコレクションを発表するつもりはなくて。例えば中高年女性に似合うTシャツやネイビーの靴など、スタイリストとして日々仕事をしている中で『これって案外見つからないな』というものがあるので、そういうものだけを作ったり、私がニッチなところから見つけてきたものを皆さんに紹介するなり、今はそういう形でいいのかなと思っています」

「年々Tシャツが似合わなくなってきた」という皆さんの意見を元に、中高年女性をきれいに見せてくれる白Tを作りました

ないなら自分で作ればいい。私がある日たった一人でオンラインショップを始めた理由【スタイリスト佐藤佳菜子】_img0
 
ないなら自分で作ればいい。私がある日たった一人でオンラインショップを始めた理由【スタイリスト佐藤佳菜子】_img1
カットソー/スローン パンツ/サードマガジン バッグ/メゾンカナウ 靴/マノロブラニク
KANAKO’S コメント 
私のインスタの質問箱でもよくいただくのが、年々Tシャツを着るのが難しくなってきたという大人たちの声でした。なのでカジュアルな普通のTシャツだと着映えなくなった大人の女性たちに向けた白Tをスローンさんと作ることに。顔写りがよく、生活感を出さないようにしたかったので、少し光沢のある美しいコットンを選びました。ハリがあるので体の線も拾いません。ビッグショルダーデザインで顔が小さく見えるので、名付けて“小顔Tシャツ”! 気になる二の腕もすっぽり隠します。

手に持ったバッグはずっと愛用しているメゾンカナウの黒バッグの色違いで素材がスウェードバージョン。こちらも私の別注バッグです。
 


探しても気に入ったものが見つからないスウェードのバッグは、この際自分で作ることに

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ないなら自分で作ればいい。私がある日たった一人でオンラインショップを始めた理由【スタイリスト佐藤佳菜子】_img3
カットソー/スローン パンツ/ロエフ ベルト/ボッテガ ヴェネタ バッグ/メゾンカナウ 靴/シャネル
KANAKO’S コメント
私はスウェードのバッグが好きなのですが、スウェードは色落ちする可能性があるという理由で販売しづらいそうで、なかなか気に入ったものが見つけにくいアイテムの一つでした。もちろん色落ちの可能性は明記した上で、自分で在庫を持つ自分のショップなら誰にも迷惑をかけないため、メゾンカナウのボックスボストンのスウェードバージョンを作りました。

合わせたTシャツも私の別注アイテムです。私自身、理想の白のロンTってなかなか見つけられないので、大きすぎず、小さすぎず、カジュアルすぎもしない、会社にも着ていけるロンTを作りました。


※掲載アイテムで価格が入っていないものは本人私物です。


撮影/長谷川怜実(S-14)
着用・スタイリング/佐藤佳菜子
ヘアメイク/日高 咲(ilumini)
構成・文/堂坂由香
 

ないなら自分で作ればいい。私がある日たった一人でオンラインショップを始めた理由【スタイリスト佐藤佳菜子】_img4
 

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