今、私が一番推したい漫画は、セクシャルマイノリティを抱えながらも爽やかな恋愛模様が描かれた作品『青春マイノリティ!!』 。この作品の元となっている『セーラさんはトランスジェンダー』は、ファンの方によるTwitterのつぶやきをまとめたサイトが25万VIEWがついたという話題作です。
主人公である男子高生の武一は、幼馴染みの女の子セーラに愛の告白をするものの「あたしは男で ゲイだ!!」と返されてしまいます。セーラは、性別不合※と同性愛を二重で抱えるセクシャルマイノリティだった……というのです。
最近、LGBTやBL漫画など、セクシャルマイノリティの作品は溢れてきてはいるけれど、当事者たちの思いや葛藤までは考えたことがなかったりします。この漫画では、セクシャルマイノリティにエンタメ要素ばかりを追求してきた人にはぐさっと刺さる要素が盛り沢山です。
(※2019年5月WHO=世界保健機関の総会にて、心と体の性が一致しない「性同一性障害」について、これまでの「精神障害」の分類から除外し、その名称を「性別不合」に変更されました。)
セーラの「お前、あたしが好きなのか あたしが女だから好きなのか どっちだ」「本当のオレを知ってくれてる武一がいるからそれだけでイイ!!!」。武一の「大切なのは ラベルよりその人を見ることだって 俺はセーラから教わった」など言葉の数々。セクシャルマイノリティのへ社会的偏見や葛藤など重めの話なのに押しつけがましくないのは、セーラの芯の強さと武一の素直なまっすぐさにあるのかもしれません。
これってセクシャルマイノリティに限った話ではなく、いつまでも若くて可愛い女性でいたい自分と、年齢や女らしさの呪縛から解き放たれて本当の自分らしさを探したいミモレ読者の世代にも通じる話だなと思ったりします。彼ら(あえて彼!)は、性別も容姿も超えて、ありのままの自分を受け入れてくれることの大切さを教えてくれます。
セクシャルマイノリティの葛藤を抱えながらも、普通の高校生としての笑いと涙と恋愛模様が描かれた『青春マイノリティ!!』。それぞれの登場人物がじわーんと温かくって、心が弱ったときに読むのもオススメです。
3話分を一挙公開いたします!ぜひご一読ください。
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『青春マイノリティ!!(1)』 (パルシィコミックス) 』
著者 えいくら葛真 講談社
好きになった女の子は「男でゲイ」でした。高校1年の男子・武一とトランスジェンダーのセーラさんは男と女の枠組みを越えて付き合い始め、戸惑いながらもイチャイチャドキドキを楽しんで恋を育んでいきます。マイノリティに限らない一人一人の在り方を題材に、フルカラーで鮮やかに描く感動の物語。
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