そこでma4710さんが、このように古風な考え方の会社でもできることを考えてみました。まずは、納得できないと感じるのは当然のことですからその気持ちを大切にしてほしい、ということをお伝えしておきたいと思います。ma4710さんが受けているのは、誰がどう見ても不当な扱いです。ですから「花柄の服がいけなかったのだろうか」とか、「怖い人と思われたくない」とか、問題を仕事と関係ないところに落とし込んで考える必要は全くありません。そうではなく、「どうしたらプロとして仕事できるか」「定年まで勤めるにはどうしたらいいか」といった“仕事”の部分に考えるエネルギーをシフトさせてください。

 

そこでおこなってほしいのが、ma4710さんにとって絶対に譲れないことをピックアップすることです。それは定年まで今の会社で働き続けることなのか、他の部署に異動させられたくないということなのか、あるいは男性からなめられないことなのか。そのうえで、その譲れないことを死守するようにするのです。

 

さて、その死守するための行動ですが、今は幸いにもコンプライアンス(企業が法律や企業倫理を遵守すること)が必要という流れになってきていますので、何か会やグループなどを立ち上げるなどして、みんなで声を上げていくことも良いのではないかと思います。一人では難しいことも、ネットワークを作ることで可能になってくることは多々ありますから。是非、信頼できる女性の上司や先輩、また労働相談関係の部署や機関に相談するなどして、行動を起こしてみてください。

もちろん会を立ち上げなくとも、その都度言うべきことを言い続けるのも良いと思います。おじさんたちというのは大抵、何が良くて何が悪いのか分かっていないものです(本人は洒落たことを言ったつもり、という場合も多いのでややこしい!)。ですから不当な扱いを受けた場合は、「パワハラ、セクハラはダメ」という昨今の流れを上手く追い風にした言い方で、却下するのです。たとえば個人へのお茶出しを要求されたときは、「それ、コンプライアンス的にパワハラになるのでできません」と言うなど。感情的にならず、客観的にさらりと拒否することがポイントです。反対に絶対にやってはいけないのが、泣くこと。辛くて涙が出そうになるときもあると思いますが、冷静に対応することで道は開けていくものですから。

この問題は、ma4710さんだけの問題ではありません。自分の中だけに押し込めないで、時代の波を生かして上手く戦っていってほしいと思います。

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PROFILE
  • 土屋香里20年以上にわたり「SK−Ⅱ」のPRとして活躍。世界的化粧品ブランドに育て上げ、“伝説のPR”と呼ばれている。2018年に独立、フリーのPRコンサルタントとして活躍中。20代頃、会社が外資系企業に買収され、社内公用語がいきなり英語に変わるという経験も。日本だけでなく、グローバルのPRマネージャーとして海外にも赴任。多国籍のPRチームをまとめ、日本内外のたくさんの部下や後輩を育てた、という経験を持つ。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
 取材・文/山本奈緒子

 

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