女性なら少なからず被害を受けてきたであろうセクハラやパワハラ。“伝説のPR”と呼ばれる元・SK-ⅡブランドPRの土屋香里さんは、外資系会社勤務だったため、社内でこそ男女差別はなかったものの、一歩会社の外に出ると何度もそういった場面に遭遇してきたそう。コンプライアンスの必要性が高まっている時代の波を生かして、上手く戦う術をアドバイスしてくれました。

 

ma4710さんからの質問

Q. 会社は古い考えのおじさんばかり。男性社員からなめられない方法を教えてほしい。


新卒から、三度の産育休を挟んで同じ会社で働き続けて、今45歳で係長です。老舗会社で、古い考えのおじさんだらけなので、今思うと浅はかですが、若い頃はちょっとおバカなふりをして、年上男性をおだてながら甘えながらやってきました。年齢的にキャピるのも苦しく、またある程度迫力を出していかないと「なめられる」と感じる場面もあります。仕事の内容が責任あるものになったし、議論の際は対等に意見を尊重してもらいたいのです。話す時はお腹から声を出して甘い感じにならないようにしたり、「●●さん、お茶」と言われても断るようにしていますが、女性だからといってなめられないためにはどうしたらいいのか。社内の先輩を見ると、下手に出れば「女の子」扱いをされ理不尽な思いをし、主張をすれば「生意気」と嫌われ不遇をかこつことになり、そのような扱いを受けない人は「すぐキレる」など完全に“怖い人”で、そうなりたいとは思えません。人事権を握っているのは男性たちなので、自分の立場を守るためにできることは何なのか……と。

出世に興味は皆無ですが、子どもが3人いるので何とか定年まで働きたいと思います。ある年齢以上の女性は、ヒットを出し続けない限り希望しない部署に異動させられたりして、辞めていく人が多いです。部長職の女性の一人は、いつも黒い服を着ています。私も、既婚者に「付きあってくれ」と言われた時は、自分の花柄の服が悪いのかと思いました。女性らしく、というか自分らしくいることと、男性の中で働くことは両立できないのでしょうか?


土屋香里さんの回答

A. 一人では難しいことも、ネットワークを作ることで解決が可能になるかもしれません。


このお悩みは、対応策を見出すのが非常に難しかったです。というのも私はずっと外資系の企業に勤めていましたから。外資系企業は、男女の待遇が完全にイコールなのですね。もし差を設けるようなことをすれば、その上司は即刻クビです。

ですが私も、一歩会社の外に出るとよくセクハラに遭いましたし、フリーになってからも、女性ゆえの大変さを味わうことは多々あります。そして私も、昔はma4710さんと同じように、「受け流してなんぼ」などと思っていた時期もありました。それは完全に間違いだったと思うのですが。

またシンガポール支社に勤務していたときは、いろいろなアジアの国の働き方を見てきましたが、日本企業はとくに女性がアンフェアな立場に置かれていると感じたものです。それによって女性たちが持っている能力を生かし切れていない、非常にもったいないことです。

 
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