いちりんさんが苦しまれている原因は、夫への依存心と男性不振が同時に混在していることにあると思われます。つまり、夫を頼りたいけど信頼できず頼れない……という矛盾があり、その葛藤にイライラしているのではないでしょうか?

そこで、一人で抱え込むことをやめて外に助けを求めるようにもしてください。お父さんは関係が悪いとのことなので難しいと思いますが、関係が良いならお母さんや、また仲の良い友達など、誰でもいいので外の人に相談してほしいと思います。いろいろな人の手を借りながら、夫から自立していきましょう。そうすれば、おのずと心が落ち着き、いろいろなことが改善に向かっていくはずです。

子育ての悩みと夫のストレスで心療内科に「本当は支えてほしいのに…」_img1
 

そのうえで知っておいてほしいことがあります。それは、夫婦というのは同じ感情で苦しむ法則がある、ということ。妻がいっぱいいっぱいだと、夫もいっぱいいっぱいになる。お互いいっぱいいっぱいで、自分のことしか見えなくなってしまうのです。その結果、「私の荷物を少し持ってよ」「お前が俺のを持てよ」という押し付け合いの発想になってしまう。いちりんさん家族は、さらに子どもさんもいっぱいいっぱいになってしまって、家族全員で夜逃げをしているような状態になっていると言えるでしょう。だから荷物を捨てるなり、誰か外の人に持ってもらうなりしなければならないのです。

 

いちりんさんが荷物をいっぱい抱えた状態だとするならば、子どもたちを助けようにも助ける余裕がありませんよね? それを夫に求めたくなる気持ちも分かりますが、彼も荷物をいっぱい抱えているのであれば共倒れになってしまいます。だからこそ、まず自分が楽になることを最優先していただきたいのです。

また、行動を起こすにあたってはゴールを決めることが有効です。それが離婚なのか、実家などに頼りつつ自立を目指すことなのか何かは分かりませんが、ゴールが見えるとどう行動すれば良いか見えてきますから、ものすごくラクになるのです。子どもさんの問題に取りかかるのはは、そうやって自分がラクになった後にしたほうが良いでしょう。

男性への依存心さえなければ、女性というのは本来強い生き物です。「離婚しかない」などと覚悟が決まれば、何でもできるはず。しかしここで、「夫に助けてもらいたい」などと思うと、途端に弱くなるのもまた女性なのです。弱くなるというより、弱くなった気になるのですね。でもいちりんさんは、出産という試練を2回も乗り越えてきているわけです。メンタル的には夫のはるか上をいっていますから、決心さえできれば必ず良い方向に進むでしょう。

余談ですが、だからこそ注意してほしいのは、新しい男性と交際することです。今度は、その男性に依存してしまう可能性がありますから。とくに夫に拾ってもらえなかった依存心を、別の男性が拾ってくれた場合、その依存心は夫のとき以上に大きなものになってしまいますから、本当に気を付けてください!

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PROFILE
 取材・文/山本奈緒子

 

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