withコロナを前提とした新生活。
マスクと熱中症対策に注目が集まっていますが、夏冷えにもアラート発動!です。
「夏なんて、冷えは無関係」と思っている方も、試しに手足を触ってみてください。冷たくありませんか?もしそうなら「冷え退治」が必要なんです。

 

冷えを甘く見て、放置しておくと代謝が低下し、自律神経のバランスが乱れ、免疫力が低下。肌荒れ、肥満、アレルギー、うつ、イライラ、不眠……、いろいろな心身のトラブルに襲われやすくなってしまいます。
長年にわたり、冷えがもたらす病気や体調不良について研究を重ね、『「がん」も「うつ」も体温が低い』の著者でもある医師の川嶋朗先生に、夏の冷え改善・解消を目指す温活について教えてもらいました。

 


その体調不良は「冷え」のせいかも?


最近、外出先で検温を受けるのがスタンダートになってきました。
そこで自分の平熱の低さに驚く人も多いのでは?
医学的に「発熱」の定義は37.5度以上。これを越えると入場制限にひっかかりますが、たとえ平熱だったとしてもスルーせず、自分の体温を気にかけてみましょう。

「1957年の調査では日本人の平均体温は約36.9度。古いですがこれが学術調査の最新データです。医療機器メーカーが2008年に行った調査では、大人の平均体温は36.1度。約50年の間には0.8度も低下していることがわかります。

原因は、日本人の生活環境の変化です。どこにでもエアコンがあるので、身体に備わった体温調節機能が鍛えられません。冷蔵庫のおかげで1年中冷たいものを口できるので、内臓を冷やしてしまう。
さらに、車や電車、エレベーターやエスカレーターなどの、便利な生活のなかで日常的に運動不足になり、代謝を促進して熱を生み出すための筋肉量は低下するばかり。とにかく現代社会は体を冷やすことだらけです」(川嶋先生)

かつては年齢と共に冷えを訴える人が増加しましたが、最近では若い人の冷え症のパーセンテージが高くなっているそう。

「冷えで血の巡りが滞り、運ぶべき栄養が体に行き渡らず、老廃物も外に出せない状態に。それが臓器の不調を起こす原因です。
また、体温が低くなると体内の消化、吸収、代謝、排泄の活動をサポートする酵素の働きも鈍ります。体内の酵素が最も働くのは37〜39度で、1度下がるだけでも半分の仕事しかしなくなってしまう酵素もあります」(川嶋先生)

体温が36℃以下になる→新陳代謝が低下→自律神経が乱れる→免疫力低下→病やアレルギーなどのトラブルに襲われやすくなる、という負の連鎖が……。

肩こり、お腹の不調、頭痛など、倦怠感、イライラ、肌荒れなどの現代人にありがちな悩みは冷えが原因かもしれません。
まずは、自分の体温を毎日、測ってみましょう。平熱36℃以上でもご自身が冷えを感じたら体温が足りていない「冷え症」、36度以下は「低体温」で病気へのリスクが高い状態です。夏でも温めを意識しましょう。

 
  • 1
  • 2