相手が続きを話したくなる”質問あいづち”


私達は、あいづちに相手の話を「もっと聞かせて」というニュアンスを入れて話を盛り上げることができます。

【相手が不安になる淡白なあいづち例】
後輩「今、お時間いただいてよろしいでしょうか?」
あなた「いいよ」
後輩「さきほどA社の○○さんとお会いしてきました」
あなた「そう」

あいづちを打ってはいますが、あなたは待ちの姿勢で一緒に会話の波にのっていない印象を与えます。ここであなたが質問であいづちを打てば、後輩がもっと話をしやすくなります。上の例文を“質問あいづち”で相手の話を展開させてみましょう。

【質問あいづちを使って話にリズムを作る】
後輩「今、お時間いただいてよろしいでしょうか?」
あなた「いいよ。どうしたの?
後輩「さきほどA社の○○さんとお会いしてきました」
あなた「そう。10回目の交渉だったね。どうだった?
後輩「はい。契約までこぎ着けました!」
あなた「え!本当に?おめでとう!」
後輩「ありがとうございます」
あなた「かなり渋っていたのにね。それで数字はどれくらいになる?
後輩「(数字を報告)」
あなた「やったね!それで○○さんは何て?
後輩「私の粘りに根負けしたとおっしゃっていました(笑)」
あなた「本当によかった。諦めないで頑張ってくれてありがとう」

それからどうなったのか、それでどうしたのか、次は何なのか、の意味を含んだ質問あいづちは、相手の話をテンポよく引き出すだけでなく、あなたが興味を持って聞いているのを伝えることができます。「話聞いてる?」「なんか、興味ないよね」と言われてしまう人は、この質問あいづちを意識してどんどん取り入れてみましょう。

相手が話を続けたくなる質問あいづち
それからどうされたんですか? 本当ですか?!
それで(お相手の)〜さんは何とおっしゃっていたんですか? 
え?!(相手の話をくり返して)〜だったんですか?!
それは大変じゃないですか!それでどうなったのですか?気になります。
そのお話、とても興味があります!

 


相手が頭を整理できる”助け舟あいづち”


あなたのあいづちによって相手の頭が整理できることがあります。たとえば、相手が話の途中で、言いたいことを失念してしまった時。助け舟は、相手がミスをしたと思わせないよう、ドヤ顔ではなくさりげなく、を心がけましょう。

【助け舟あいづちを使った例文】
相手「私共の美術館では、1つ目の感染防止対策として、入場を時間別に予約定員制にして混雑を防いでいます」
あなた「そうなのですね。賢明な措置ですね」
相手「そして、2つ目の対策は検温装置の設置です。高熱の方の入場はお断りしています」
あなた(大きくうなずく)
相手「そして3つ目は…えー3つ目は…」
あなた「(少し待ってから助け舟)定員制と検温装置の設置、どちらもお客様が安心できますね
相手「そうなんです。そして、3つ目としてですが、チケットのもぎりをお客様ご自身にお願いしています」
 
何かの拍子で頭が真っ白になっても、振り返ることで思い出せることも多いものです。このように聞き手が話に寄り添う事で、話し手は自分が伝えたかったポイントを落とさずに話すことができます。


「あいづち」はあなたの強力な武器になります!


緊張症の話し手もあなたのいいあいづちが入ることで、安心して話すことができます。オンライン会議でマイクオフの時は、あなたの「うなずき」が話し手を助けます。うなずきや表情など非言語でのあいづち、はい、そうですか、などの「定番」、そして「ほねみ」「質問」「助け舟」。組み合わせることで、あなたらしいあいづちを見つけて、会話を展開させましょう。まずは今日のミーティング、明日の商談で、今まで使っていなかった種類のあいづちに挑戦してみてくださいね。
 

今回のコラムのまとめ

ビジネスで使える大人のあいづち「ほねみ」
相手を「褒める」「労う」「認める」

卒業して構いません!「偉そうあいづち」
「なるほど!」「たしかに!」

相手が続きを話したくなる「質問あいづち」 
「そうなんですか?」「そうですか!」「それからどうなったんですか?気になります」「そのお話、とても興味があります」

相手が頭を整理できる「助け舟あいづち」
相手が途中で失念してしまったら、その前のポイントをさりげなく繰り返す


構成/幸山梨奈

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