室内を歩くことから始められる「歩く瞑想」


歩く瞑想は、廊下や6畳ほどの部屋などで、歩く距離を数メートル確保できれば十分。そこを道にして5〜10分間ゆっくりとスローモーションで歩きます。ほかの瞑想よりも動作が大きくなり、ずっと動き続けるため、さまざまな感覚を受け止めることができます。感覚に集中しやすく、自然に考えを手放すことができます。

足の動きを感じとり、「右足を上げます」「運びます」「下ろします」などと心のなかで実況中継します。足の動きや接地した感触も感じとって実況しましょう。考えが思い浮かんだら、ほかの瞑想と同様に「考え」と実況して体の感覚に意識を戻します。

 

<歩く瞑想の基本手順>

① 足の動きや張りを感じる
足をゆっくりと動かしながら、その動きを実況中継する。張りや痛みなどを感じたらそれも実況する。

② 足の裏に意識を集中する
足の裏が地面についたり離れたりすることも感じとる。「かかとがつきます」「離れます」というように実況する。

③ 考えには反応しない
歩きながら考えごとをはじめたことに気づいたら、「考え」と実況し、体の感覚に意識を戻す。

④ 5~10分間、続ける
足の動きに意識を集中しながら、そのほかの感覚や考えも実況し、5~10分間、室内を歩き続ける。

室内での歩く瞑想に慣れてくると、外出先でもあいた時間に歩く瞑想を実践できます。ただし公園や建物の中など、安全なところでいつもよりゆっくり歩きましょう。

歩くときや仕事をするとき、手や足は動いていても、頭では別のことをあれこれと思い悩んでしまうという人には、歩く瞑想がおすすめです。「考えごとをしながら行動する」という習慣の見直しにつながり、なにかと考えすぎて疲れることが減ります。目の前のことに集中する力も育ちます。

 


歩く瞑想は慎重に


マインドフルネス瞑想は、どこでも実践できるものです。感覚に集中するため、最初は刺激の少ないところでおこないましょう。自宅内に落ち着けるスペースがあれば、そこが最適です。慣れてくると、公園など別の場所でも実践できるようになります。その際、食べる瞑想や呼吸の瞑想などはどこでも安全におこなえますが、歩く瞑想は場所によっては危険なので、慎重にとりくんでください。

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構成/金澤英恵

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