お笑いコンビ、ジャルジャルの福徳秀介さんが、初となる長編小説『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』を発表しました。4年近い年月をかけて誕生した作品からは、福徳さんの独創性を大切にするスタンスや、照れ屋でピュアな人柄、他者への愛情深さが伝わってくるようです。インタビューで、この作品がどのように誕生したのかを探ります。

 

福徳秀介 Shusuke Fukutoku
1983年、兵庫県生まれ。関西大学文学部卒。同じ高校のラグビー部だった後藤淳平と2003年にお笑いコンビ「ジャルジャル」を結成。テレビ、ラジオ、舞台、YouTubeなどで活躍。キングオブコント2020優勝、13代目キングに。福徳単独の活動として絵本『まくらのまーくん』は「第14回タリーズピクチャーブックアワード大賞」を受賞。絵本『なかよしっぱな』刊行。本作品が小説デビュー作となる。

 

 


念願のKOC優勝も「例年と変わらずいい年やった」


ジャルジャルとして長年挑み続けてきた「キングオブコント2020」で悲願の初優勝を達成! 9月にはYouTubeチャンネル『ジャルジャルアイランドJARUJARUISLAND』で結婚を発表! そして11月11日には、『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』で小説家デビュー! 2020年は福徳さんにとって、とても実りの多い1年だったのでは?

福徳秀介さん(以下、福徳):実感としてはいつもと変わらずなんですが、その3つはわかりやすいトピックではあるな、とは思います。毎年その1年を振り返ると、「今年はいっぱいコントを作ったな」「今年はいっぱいコントをやったな」と思えるので、今年も例年と変わらず「いい年やなー」という感じです。

福徳さんにとっての「いい年」の基準はコント。2020年はコロナ禍により、劇場のお客さんの前でコントを披露する機会は激減したものの、YouTubeチャンネル『ジャルジャルタワーJARUJARU TOWER』に毎日1本新作コントをアップ。一方、福徳さんの処女小説はコロナ禍の影響を受けて、5月に予定されていた刊行が延期されてしまいました。

福徳:4年近く前に、趣味程度に書き始めて、3ヶ月くらいで書き終えました。そこから2年間くらい改稿に改稿を重ねていたら、小学館の方に「出版を目指しましょう」と言っていただいて。いったん完成しましたが、コロナ禍で延期が決まったので、さらに改稿しました。最初は100%恋愛ものを書く予定が、どんどん変わっていって、初稿で残っている部分は5%くらいです。

ジャルジャル福徳さん、取材には書影Tシャツで登場!
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