【質問3】アレルギー以外が原因の場合はどうしたらいいでしょうか?


風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染といったウイルス感染が原因の場合には、実はあまり優れた治療がなく、治るのを待つしかないという残酷な側面もあります。新型コロナウイルスについては症状の期間が少し長くなる傾向にあるようですが、風邪やインフルエンザであれば、通常1週間以内に改善することが見込まれます。比較的鼻水の症状が重い方では、抗ヒスタミン薬の飲み薬やクロモグリク酸ナトリウム点鼻液(インタール®️)と呼ばれる鼻スプレーを試してみるのもいいでしょう。

一方で、細菌感染症の場合には、飲み薬(抗菌薬)による治療になります。ウイルス感染と細菌感染は治療法が明確に異なるので、注意してください。

また、アレルギー、感染症以外が原因の場合には、治療が少し異なります。

例えば、前回ご紹介した「辛いものを食べた時に鼻水がでる人」の場合、そもそも辛いものを食べなければ症状はおこりません。しかし、それでも食べたいという方が多いと思うので、その場合は自身の身体と付き合っていくしかありません。ティッシュペーパーを大量に持ち込んで、楽しみましょう。

実は、抗コリン薬と呼ばれる薬剤がそういった鼻水を止めるのに有効なことが分かっています(参考5)が、鼻水は一時的な症状と予想されること、薬剤の副作用リスクが利益を上回ると考えられることから、お勧めはできません。

それ以外(アレルギー、感染症以外)の場合には、治療が難しいことが知られています。既存の薬剤への反応性が乏しいのです。治療としては通常、ステロイド点鼻薬や抗ヒスタミン点鼻薬が用いられます。効き目は個人差が大きいので、どちらか一方を試して、無効であればもう片方を試すというようなことをしていきます。

それでもダメな場合には、先にご紹介した抗ヒスタミン薬の飲み薬を使用することもあります。ヒスタミンが関与していない鼻水なので原則的には無効なのですが、この薬には粘膜を乾燥させるような副作用があるので、その副作用を利用した治療と言えます。

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