前回は着物家の伊藤仁美さんに、フォーマルなーシーンでも着物を気軽に楽しむための「リサイクル着物」を提案してもらいました。
実は川良編集長に選んだ江戸小紋、仁美さんがまとった御召はどちらも、帯や小物をチェンジするだけで、おしゃれ着として友人とのランチや美術鑑賞、観劇などにお出かけができる万能な一枚だといいます。
「フォーマルの装いにはルールや決まりごとがありますが、街着としてのおしゃれにルールはありません。ご自身の個性を出していつものファッションのように楽しんでもらえたら、着物をもっと好きになっていただけるのではないでしょうか。今回はファッションとしての装いをご提案します」(仁美さん)
ダークカラーの帯でモードな装いに
川良編集長の江戸小紋には、シックな雰囲気の緯(よこ)段の帯を合わせました。
「淡い色や白、金や銀などはフォーマルな雰囲気が出てしまうので、帯は落ち着きのある色を選びました。でもよく見ると、ほんのりと漆のような光沢ある糸が織り込まれていて、奥行きを感じます。モードな雰囲気が川良編集長にお似合いです。
それから、着物や帯、小物の色を統一し、落ち着いた色合いに仕上げました。着物のコーディネートを難しく感じる初心者さんにもおすすめです」(仁美さん)
個性的な帯で自分らしい着姿を楽しむ
一方仁美さんが御召に合わせた帯は菱形紋に愛嬌のあるほっこりしたデザイン。
「遊び心のある帯を選んで、自分らしさを出せることは、おしゃれ着の醍醐味だと思います。また小物は帯にある色を使うと統一感が出ます。今回は菱形文にある、こっくりとした青や紫を合わせました」(仁美さん)
クラッチバッグの制限に美は宿る
パーティなどでクラッチバッグを持つ女性を見かけると、大人の美しさを感じませんか? 腕や肩にかけることができず、少し不便を感じることに美が宿っていると仁美さん。
「着物はテーブルの奥にある物を取ろうとすると、動きにくさを感じることもあります。でも袂をおさえるというひと手間はとても美しい所作だなと思います。クラッチバッグも同様に、腕にも肩にもかけられません。両手を使えないことで、右手から左手に持ち替えるなど手間が増えますが、そこに優雅な佇まいが生まれるのではないでしょうか。クラッチバッグをあえて取り入れることは、大人の女性らしい美しさにつながると思います」(仁美さん)
きれいな着姿でいるための、お化粧室で直す3箇所とは
「ずっと着物を着ていたら、多少の着崩れは当然のことです。お化粧室で少し手直しをするとよいと思います」(仁美さん)
① トイレでは、お太鼓のたれが上がってしまうことがあるので必ずチェック。もし上がっていたら、たれを引っ張らず、横になでるようにして整えましょう。
② 便座に座った後、おはしょりが上がっていることも。帯のたれ同様におはしょりも横になでて整えましょう。①と②はお食事のシーンでも同様に、椅子から立ち上がる際にお直ししましょう。
③ トイレでは裾を一気にたくし上げたり下ろすと着崩れの原因に。裾を上げる場合は着物から。それから長襦袢、裾よけの順で上げるようにしてください。下ろすときは裾よけから。強く引っ張ると裾が長くなってしまうことも。そっと下ろすようにしましょう。
【画像】レンタル着物(リサイクル着物)とは思えない美しいコーディネート
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撮影/杉山和行
ヘアメイク/KIKKU
構成・文/笹本絵里
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