「推し」にお金を使うとき、ちょっぴり不良になれる

 

あとは何より、バカなことがしたいという心理も働いている気がします。規範にのっとり、マナーを守って、清く正しく生きる日々。それは社会を構成する一員として当たり前といえば当たり前なんですけど、たまにそういう大人の常識みたいなの全部吹っ飛ばして、しょうもないことしたい〜〜という欲望がせり上がってきます。

 

ドカンとお金を使うことは、そんな欲望を解消する最高の手段。無駄なものにお金を使って……という周囲の目なんてどうでもよくて、むしろどっちかって言うと自分でも無駄だと思ってるんですけどね〜〜ぐらいのものにお金を使っちゃう方が、なんだか楽しくなる。そして、その対象が推しであるなら、こんなwin―win、他にはありません。

ついテンションで買ってしまったピンバッジとか、特に使うあてのないコースターとか、あとあとになって引き出しの奥に眠る推しグッズを見ると、「あ……」と思わなくはありません。老後に2000万円の貯金がいると言われるこのご時世。セカンドライフを迎えたときに、あのときもっと貯めていればと後悔する気も余裕でします。でもそういう訪れてもいない未来への不安にがんじがらめになっているのも、またひとつの呪い。

自慢ではないですが、学生時代から基本的には優等生でした。屋上でサボったり、校門を飛び越えて学校を抜け出したり、殴り合いの喧嘩をしたり、そういう悪そうなこととは一切無縁だった自分が、ほんのちょこっとだけ不良になれる時間。それが、推しにバカスカお金を使うことなんだなと、最近しみじみ実感しています。