【蛯原友里】『家族』という帰る場所があるから、全てを脱ぎ捨てて先へ進める
ミモレで2021年に公開された記事のうち、特に人気があったものをご紹介します。よろしければぜひご一読ください。
「最小にして最大の効果」と話題のメイクアップ、それが、メイクアップアーティスト・水野未和子さんが提案する「ディファインメイク」。その人が持つ本質を見つめ、深め、高めて「唯一無二の魅力」を際立たせるそのメソッドは、ひとりひとりが自分の顔をもっと好きになるきっかけを生み、可能性を広げてくれます。そこで、ディファインメイクの「真髄」を知る、連載企画。その第一回に登場するのは、蛯原友里さん。ディファインメイクが掘り起こす、蛯原さんの自分さえ知らない本当の顔、そして、誰も見たことのない新しい顔とは? 美人を超える魅力に迫ります。
「ニュートラル」な顔に漂う
静かで穏やかな自信、余裕。
魅力を掘り起こし、際立たせ、明瞭にするディファインメイクと、魅力をより深め、強め、濃密にするインテンスメイクを経て、まったくの素顔に戻った、蛯原さん。メイクを脱いだニュートラルな顔には、静かで穏やかな自信、余裕が漂っているように見えます。
「えびちゃんに会うたび、思うんです。この人は、年齢を重ねるほどに『脱ぎ捨てている』んだなあ、って。大人たちの多くが、どんどん『着込んでいく』傾向にあるでしょう? シワができた、シミが増えたと嘆いて、そのたび『隠したい』『ごまかしたい』という気持ちが強くなって、知らず知らずのうちに脱ぐのを怖がり、着込む。それは決して、メイクだけではなくて、生き方そのものに言えることだと思うんです。脱ぎ捨てたいと思っていても、いざというときのために、手に持っていたりバッグに入れていたりと、結局手放せていないみたいなこと、ありませんか(笑)? えびちゃんの場合、もともとの性格かもしれないけど、潔く脱ぎ捨てて、軽やかに次のステージに行っているように見える。気持ちのいい人だなあ、と思います」(水野さん)
つねにニュートラルだから、自分の声がまっすぐに聴こえる。素直で正直だからこその、決断力、行動力。蛯原さんは「えーっ、そうかなあ?」と照れながらも、こんな話をしてくれました。
「私、悩むの、好きじゃないんですよね。いや、もしかしたら、何も考えていないだけなのかなあ(笑)。悩んでいるだけでは、止まっちゃうどころか、後ろに行っちゃうでしょう? 何か上手くいかないことが起こったら、落ち込んだり、傷ついたりするよりも、自分なりの『解決策』を見つけたいと思う」(蛯原さん)
「悩み続ける人は、まわりと比べるばかりで『自分』を生きていないんじゃないかと思うの。えびちゃんは、大事にするべきものがクリアに見えていて、『軸』がしっかりと自分にあるから、何があっても惑わされない。美しさの定義もメイクの楽しみ方も、同じだと思うんですよね。自分の軸を持っていること、それが美しさの基本だと私は思います」(水野さん)
家族がいる。だから
迷わず、怖がらず前へ進める。
この明るさ、この軽やかさ、この心地よさ。まるで磁石のように、私たちが吸い寄せられるのは、蛯原さんに「澱」がないから。水野さんが言うように、日々、「脱ぎ捨てている」からこそのクリーンでヘルシーなムードに、まわりごと包み込んでくれるからなのです。
「もし未和子さんが言ってくれるように、私が前に進めているのだとしたら、それは間違いなく、『家族』がいてくれるおかげだと思います。私を創ってくれた家族も、私が創る家族も。決して裏切らない、何があっても信じ合えるという『安心感』が、前に進む不安を吹き飛ばしてくれる。たとえ失敗しても、たとえ間違っても、家族のもとに帰ればなんとかなると思えるんですよね。自分を好きでいてくれる人がいる場所があれば、迷わず、怖がらず、新しいことに挑戦できる気がして……。そういう意味で、両親には感謝しかない。私も子供に対して、『何があってもここがあるよ』と言葉を超えて伝えられればいいなあ、って思っています」(蛯原さん)
「えびちゃんに『こうじゃなくちゃいけない』という枠みたいなものがないのは、きっとそのためなんですね。じつは、この枠のなさ=ニュートラルでいることが、いちばん強い。えびちゃんは、しなやかで逞しい人なんだと思います」(水野さん)
そして、インタビューの最後に、蛯原さんは「年齢を重ねるのは、楽しい!」と力強く語ってくれました。
「毎日の気持ちが、筋肉の動きになって、顔がそれを記憶し続ける……、これからの顔は心のあり方が創るんですよね。だから、瞬間、瞬間を楽しんでいたい! そう思います」(蛯原さん)
「年齢を重ねるほどに、えびちゃんは『今』をどんどんはみ出して、新しい顔を見せてくれるのだと思います。これからが、楽しみで仕方がない!」(水野さん)
迷わず、怖がらず、前に進む人。そうして、美しさが進化していく人。蛯原さんから目が離せない!
MIWAKO’S MESSAGE
魅力>美人。私はこんな人に心を奪われます。彼女たちを見ていると、シミとかシワとか毛穴とか、そんな細かいことは目に入ってこないのです。逆に、どんなに美人でもその人の魅力が見えない人は、欠点や弱点、つまりは自分の嫌いなところばかりを見つけ、とらわれてる。そんな自分に負けているんじゃないかな。カバーしたってカモフラージュしたって、「嫌い」にとらわれている限り、根本的には何も変わらない。それに対して、「好き」を認めて愛して生かしている人は、どんどん枠をはみ出して、その人だけの顔、その人だけの魅力が育っていく……。当たり前だった嫌いを好きになること。小さな幸せをたくさん見つけて大きく大きく育てること。魅力はその人らしさの延長線にあることに、私たちはそろそろ気づかなくちゃ。赤い口紅一本が、自分の中で何かが巡るきっかけになればいい。メイクアップアーティストとしてこんなに幸せなことはありません。
最新!40代になった等身大の蛯原友里さん
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水野未和子
メイクアップアーティスト。オレゴンに留学後、イギリスに渡り、London College of Fashionでメイクアップを学ぶ。卒業後、フリーランスのメイクアップアーティストとしてロンドンでキャリアをスタートし、帰国後は多くの雑誌、広告、CMなどを手がける。人によって違う、その人だけの魅力をディファイン(明確に)するメイクに定評があり、数々の女優やモデルが厚い信頼を寄せる。【Instagram】@mizuno.miwako
<書籍紹介>
『ディファインメイクで自分の顔を好きになる
“私だけの魅力”が絶対見つかる自己肯定メソッド』
著 水野未和子
定価 1400円(税別)
Kindle版も配信中!
講談社
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数々のファッション誌や広告で女優やモデルのメイクを手がけているメイクアップアーティスト、水野未和子さん。水野さんのメイクの特徴は、人によって違う、その人だけの魅力をディファイン(明確に)すること。何かを隠すのではなく、誰かのようになるのではなく、「自分になる」メイクです。この本では、あらゆる年代、あらゆる属性の誰もが自分の魅力を底上げできる「ディファインメイク」の考え方と、そのメソッドを詳しく紹介します。
メイク/水野未和子(3rd)
撮影/目黒智子
モデル/蛯原友里
ヘア/Kazuki Fujiwara(Perle Management)
スタイリング/三好 彩
取材・文/松本千登世
構成/中田絢子
この記事は2021年4月22日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。
第1回「蛯原友里の現在。可愛いの枠を超えた、魅力を掘り起こすメイクとは?」>>
第2回「芯の強さと色気を併せ持つ、蛯原友里のもうひとつの顔」>>
蛯原友里
1979年10月3日宮崎県生まれ。ファッション誌『Cancam』『AneCan』『Domani』(すべて小学館・『AneCan』は現在休刊) の専属カバーモデルを経て、現在は『Marisol』のカバーモデル、『LEE』(共に集英社)『&ROSY』(宝島社)など多数の雑誌に出演する、日本を代表するモデル。蛯原友里オフィシャルサイト https://yuriebihara.com/