すべての人の生理に関するニーズが満たされ、どんな人も自分らしく暮らせる社会を目指す団体「#みんなの生理」。
その共同代表を務める谷口歩実さんに、生理用品の軽減税率化への取り組みと、日本における生理の貧困について伺ってきました。
今回のテーマは、生理のさまざまな問題のベースにあるわが国の性教育について。
現状や問題点、そして改善するための道筋などを伺いました。
生理のあらゆる問題のベースは「人前で話しにくい」というタブー
谷口さんが大学生時代に同級生たちと立ち上げた団体「#みんなの生理」。現在は、7名のメンバーで活動を続けています。
「私たち世代の若者にとっても、生理は『オープンに話しづらいもの』。ただ、SNSなど『匿名で話せる場』があれば、発信してつながりたいと考える人は多いと思います」(谷口さん)。
生理に関するさまざまな課題を深掘りしていくと、ベースとして「生理や性について話すことが難しい」という”タブー意識”があります。
「さらにジェンダーの不平等ともつながっていきます。こうしたことの原因は、今までほぼ生理について議論されてこなかったことが根本にあると考えています。
ただ、誤解しないで頂きたいのが、決して男性たちが悪いわけではないということ。生理にまつわる状況が変わらないのは、しっかり性教育をされてこなかったから。
ちなみに最近は、私たちのもとに大学生から年配の方まで、男性からの声が多く寄せられています。『パートナーや娘のために一緒に考えたい』と、私たちの活動を応援してくれているのです」(谷口さん)。
谷口さんがはじめて性教育を受けたのは、小学校5年生の移動教室の前のこと。女子と男子で別々の教室に分けられ、保健室の先生から30分程度「月に1度血が出るので、ナプキンで抑えます」というような話を聞いた記憶があるそうです。
「その後、中学校の保健の授業で、再び生理について学ぶ機会がありました。けれども、卵胞ホルモンの分泌が増えて排卵が起こり、子宮内膜が剥がれ落ちて出血が起きる、といった身体の仕組みそのものの話がほとんどだったのです」(谷口さん)。
【写真】大学生が集まってはじめた生理の活動
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