沈黙の同調圧力は殺傷力が強すぎる

 

直接言わないで、「つらい顔」「落胆した顔」「うんざりした顔」「泣き顔」を見せることで、自分の意志を子供に伝えてしまう。そうです。親が示す「同調圧力」です。無言の命令ですね。この傾向は父親より母親に強いでしょう。

 

テストで低い点を取った時に、「もっと勉強しなさい!」と怒られるのと、何も言わないで親が泣き出すのを見るのと、どちらがつらいですか? もちろん、直接言われるのはこたえますが、親の泣き顔を見せられるのも同じぐらいつらいんじゃないでしょうか。

いえ、ひょっとしたら直接言われる以上に傷つく可能性があります。

直接言われないぶん、勝手にいろいろと想像してしまうのです。想像したくないのに「母親はこんな気持ちじゃないだろうか。私が悪いんだ。私のせいで母親はこんな気持ちになっているんだ」とどんどん想像がふくらんでしまうのです。

そして、子供は自分の想像で自分を責めるのです。

直接言うのはやめよう、それは子供のプレッシャーになる。そう思っても、黙って嫌な顔や哀しい顔を子供に見せていたら、子供はやっぱり、親の期待に振り回されると思います。