子どもには小さい頃から英語に触れてほしい、けれど英会話スクールはお金がかかるし、教材も安くない。一体何から始めればいいの!? という方にうってつけなのが、出版翻訳者である鹿田昌美さんの著書『「自宅だけ」でここまでできる!「子ども英語」超自習法』です。

20年以上にわたり出版翻訳を手掛け、これまで翻訳してきた書籍は70冊以上。まさに英語のエキスパートともいえる鹿田さんの息子さんは、なんと10歳で英検2級に合格! 英検2級は「高校卒業程度のレベル」とされています。英才教育の賜物に違いない……と考えた筆者でしたが、鹿田さんは本書の中で驚くべき事実を打ち明けています。

「翻訳家のお母さんは、子どもにどう英語を教えているの?」……と、時々質問を受けます。でも、実は私は子どもに英語を教えていません。一番の理由は「時間の余裕がない」こと。代わりに私がしていたのは、主に2つの動作を見守ることだけ。それは、「英語のCDを聞かせる」と「英語の本をなぞって読ませる」ことです。

この言葉からもわかるように、本書は「仕事と育児で余裕がない」人でも、「実は英語が苦手」という人でも実践できる、子どものための英語自習法を教える一冊です。「おうち英語はとにかくリスニングが9割!」と断言する鹿田さんの本書から、子どもの英語力の伸ばすためのコツをご紹介します! 

 


英語も日本語と同じ! 人間は言葉を「音」から覚える


英語の4技能「聞く(listening)」「読む(reading)」「話す(speaking)」「書く(writing)」のうち、何から始めればよいのでしょうか。

日本語を子どもが覚えていく過程を、想像してみてください。まずは大量の日本語を聞いて、1年ぐらいしてようやく「マンマ」のような短い言葉を発するようになる。その後、ひらがなを認識するようになり、自分で絵本が読めるようになる……。文章が書けるようになるのは、その後です。

基本的に、英語もこの流れで覚えていくということを頭に入れておきましょう。「聞く」「話す」「読む」「書く」の順番です。この4技能は互いに関わり合っています。聞こえない音は発音できないし、相手が話すことを聞いて理解できるからこそ、自分の言葉で返事を伝えられる。言葉を文字で書き表せることを知って、文字を読んで内容が理解できるようになる。そして、文字を書けるようになって、文字を組み合わせて文章を書けるようになります。

「書く」については、小学校に上がってから始めるのがおススメです。アルファベットと単語のつづりは、最初に間違えて覚えてしまうと後で直すのがむずかしいからです(漢字の書き順と同様)。

ちなみに英検では、5級(中1程度)4級(中2程度)まではマークシートのみで、筆記試験はありません。ライティング試験が始まるのは3級(中学卒業程度)からなので、3級の準備のときに「書く」を取り入れても遅くないです。

ライティング試験では、自分の考えを英語でまとめる必要があるため、英語力だけではなく、考える力や常識的な知識も必要になってきます。だから幼少のうちに無理にここに手をつけるよりも、他の3技能、とりわけ「聞く」に力を注いだほうが、お子さんの成長に応じた学びが得られるのです。
 

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【参考】親子で身につく!おうちでカンタン「1・2語英会話」集
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「動詞+単語」を使ったシンプルな英会話を日常に取り入れれば、子どもだけでなく、親も楽しみにながら英語を覚えることができます。