迷ったら、まずは自由度の高い「つみたてNISA」を


つみたてNISAとiDeCo、どちらから始めようかと迷ったら、まずは自由度の高い「つみたてNISA」がおすすめです。口座開設時などの手数料もかかりませんし、iDeCoでは運用中の手数料(積み立てを行う場合は、月171円が一般的)がかかりますが、つみたてNISAはかかりません(ただし、投資信託の信託報酬などの手数料は、つみたてNISAでもiDeCoでもかかります)。

積み立てる金額も、iDeCoでは最低金額が月5000円ですが、つみたてNISAなら月100円から始められるネット証券が多くあります。
また、iDeCoは年末調整や確定申告などの手続きが必要ですが(掛け金が給与天引きの場合は不要)、つみたてNISAは、そのあたりはほったらかしでOK。

さらに、つみたてNISAは、1年後でも5年後でも、いつでも売却して現金化できるという点も、原則60歳まで現金化できないiDeCoとは異なり、自由度が高いでしょう。

節税効果としては、(収入が高ければ)iDeCoの方が大きいといえますが、少額で始められ、手数料の種類が少なく、現金化しやすいといった自由度の高さから考えると、つみたてNISAの方が、初心者さんにとって始めやすいと思います。

 


投資を試してみたい場合は、買い物で貯まった「ポイント」を使う手も


それでも、「投資にまだ一歩踏み出せない」という場合は、現金を使うのではなく、ポイントで株や投資信託を購入するのも手です。
最近は、買い物などで貯まったポイントを、株や投資信託の購入に使える証券会社が増えてきました(どちらかしか買えない場合もあります)。この「ポイント投資」の場合、売却すると、ポイントではなく、現金を受け取れるというのもメリットです。

例えば、楽天ポイントは楽天証券で、TポイントはSBI証券で、dポイントはSMBC日興証券で使えます。初めての投資で一歩踏み出せない場合、現金ではなく、ポイントを使ってみて投資体験をしてみてはいかがでしょうか。

ただし、いずれの場合でも、投資信託は、預貯金とは違って、元本保証はありません。元本割れのリスクもあることを念頭において、少額から始めることをおすすめします。

在宅時間が増えて、「お金を増やすこと」のアクションを起こしてみたいな、と考える方も多いのでは? つみたてNISAなど、投資信託の積み立てなら月100円といった少額から始められますので、一歩踏み出してみてください。
 

『はじめての積立投資・つみたてNISA・iDeCoもよくわかる! お金の増やし方』
著者:西山美紀 主婦の友社 定価1300円(税別)
ISBN 978-4074470891

お金の不安が増す今、「どうやったらお金を増やせるのだろう」と悩む人も多いのでは? 「乗り換えるだけ」「制度を利用するだけ」「ほったらかすだけ」の3つのアクションで、マネー超初心者でもお金を増やせる方法を、図解入りでお伝えしています。また、お金を増やすには、収入アップも重要。「働き方」の今後の見通しや、副業・フリーランスの魅力や注意点についても解説しています!

文/西山美紀
構成/片岡千晶

 


第2回「老後資金を多めに準備すべき人、少なめでも大丈夫な人…その違いとは?」9月29日公開予定


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