ファッションスタイリスト佐藤佳菜子さんが日常のおしゃれについてのアイデアや思いを綴る連載。今回は、ファッションの話ではなく、結婚生活と夫婦関係についてです。
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今日はファッションの話ではないので、興味がない方は読み飛ばしてください。
突然ですが、わたしは今夫とは別居中です。
夫はイギリス人で、しばらく義理の娘と3人でロンドンで暮らしていたのですが、去年、わたしだけが日本に帰ってきて、それ以来、別々に暮らしています。
簡単に言ったら、彼は自分独自のキングダムの王様で、私はそのキングダムで彼が望むような良いしもべになりきれないからいさかいが絶えない。彼は彼で自分は正しいことをしているのに、なんで他の人がついてこられないのか、なんで思い通りにコトが進まないのか。わたしといる限り、つねにそのストレスを持っているのではたから見ていてかわいそう。
意外かもしれませんが、わたしは自分の仕事以外、つまりプライベートのことにはあまり主義主張がないタイプ。
だからパートナーはオレ様タイプの方が楽だし、いままでもキングの相手をしてきたのでそうそうなことでは根を上げないつもりだ。基本的には、オレ様のお世話をさせていただくのが好きなのだ。だけど、この遊びはいいところもたくさんあるけれど楽なことばかりではない。
結婚する前からいろいろな問題点があることはとっくにわかっていたのだけれど、もし結婚したらなにか変わるかもしれない。もし一緒に住んだらなにか変わるかもしれない。
私はその可能性にかけてみたかった。
それに、あまりにひどいときはカウンセリングも行ったし、弁護士にも相談したけど解決の糸口はない。
このまま一生、もやもやしながら過ごしていくのはどうにもわたしらしくない。
ひとりで日本に残ることを選ぶのはすごく勇気がいったけれども、こちらにいる家族や友人たちの力も借りてこちらに留まることを決めました。わたしのわがままです。
わたしが問題をなんとかできるかもしれないというのはとんだ買いかぶり。関係は二人の努力と理解があってこそだと。
ただ、日常の業務連絡やお互いの近況についての連絡はしていて、遠くにいたら私たちの関係はとくに問題がない。
今朝も、起きたら夫からラインが入っていた。寝ぼけ眼で英文の羅列を追うと、
夫:
「最近、
娘が日本のおコメを恋しがっているから
誕生日も近いし
最高級の日本のコメを送ってほしい」
読んで、数分ぼーっとしてから思った。
「キングダムへの年貢??」
彼は絶対に年貢制度など知らないはずなのに、偶然、自然発生したことがえらいおかしくて。いったい、いまどき21世紀にコメで年貢を納めている人っているのだろうか。とか思いながらニヤニヤ起きた朝です。
日本の冬の朝はなんだか清々しくてあかるくてあっけらかんとしていて気分がいいです。
さて、人生はいろいろありますが、今日もがんばりましょう。
わたしもがんばらないと。
最後に今日のコーデを紹介します。
今週のピグミ様はクマです。
来週は絶対にファッションの話にします。
マエガミエマセン……
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文/佐藤佳菜子
構成/高橋香奈子
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