どこにもない自分だけの一着を


ここからは実例をご紹介しましょう。どれほど質の高い服であっても、時代が移りトレンドが変われば、少々古くさく見えてしまうものです。私どもの仕事は「着られるようにサイズを直す」だけではありません。オリジナルの魅力を損なわない範囲を見極めつつ、時代に合ったシルエットヘ、新たに構築し直すのも、センスが問われる大切な作業です。

リフォームのご相談①
出番をなくした「エルメス」のスカーフ。なんとか活用したい!


<Before>

エルメスのスカーフがシャツワンピやジレに変身! 服を捨てない“リフォーム”という選択_img2

柄や発色は素晴らしいのだけれど、「素材のハリと正方形の形状が使いにくい」のが依頼者の悩み。

 

<After>
オリジナルの美しさ、手仕事の素晴らしさを最大限活かしたジレに!

エルメスのスカーフがシャツワンピやジレに変身! 服を捨てない“リフォーム”という選択_img3
 


【リフォームのポイント】


1. パターンは、スカーフをできるだけ活かすかたちで考案。布をカットするのはネックラインと袖ぐり、肩ラインのみ。

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2. 身幅が足りない分は、馴染むカラーの同素材を脇に足してアクセントに。

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3. 端布を裏から巻き上げ、フレームと同じ色の糸が見えないようかがられている(写真右)。脇の仕立て(写真左)。

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インターネットを検索するとスカーフのリフォームプランが、かなりの件数でヒットします。それを知ってなお、依頼者がリフォームに踏み切れなかった理由は、「エルメスのスカーフの素晴らしさを、活かしきれていない気がして」だったといいます。サルトが提案するジレヘのリフォームは、できる限りオリジナルの素晴らしさを活かすことに主眼を置いた、シンプルな工法。そもそも、スカーフに裏地を付けることもなく、一枚のジレに仕立てられるのは、「エルメス」の綾織りならではの、しなやかさとコシがあるから。「まるで一幅の絵画のように美しいシルクスクリーンの技術とセンスが、100%活かされたジレですね(依頼者)」。製作費5万5000円。

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サルトが手がけた「スカーフリフォーム」例。柄を活かした美しい一着に!
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