白髪染めの回数が増えると、徐々に気になりだす頭皮や髪へのダメージ問題。「このまま続けて大丈夫? でも染めないと白髪が目立ってしまうし……」。そんな負のスパイラルを少しでも軽減する方法について、ヘアサロン『CALON』代表で、カラースペシャリストの西海洋さんにお話しを伺いました。

白髪染めを繰り返しても、きれいな髪と頭皮でいられる方法【トップカラーリストのテクニック】_img0
 

白髪染めをすることで、さらに白髪が増えている!?


――白髪染めを月1回ほど重ねていると、頭皮や髪のダメージが心配になります。やはり白髪染めって負担になりますよね。

西海さん:白髪染めの場合、白くなった髪にみっちりと色素を浸透させるため、どうしても薬剤パワーが強くなってしまうんです。そのため通常のファッションカラーに比べてダメージを起こしやすいという側面があります。

――なるほど。白髪染め派にとっては悩ましい問題です……。

西海さん:白髪染めを繰り返していると、頭皮には活性酸素が発生します。活性酸素は適量なら私たちの身体を守ってくれますが、増えすぎると毛根が酸化してしまうんです。

――「酸化」と「老化」の密接な関係は、美容界でもよく取り上げられるテーマです。

西海さん:はい。もちろんその影響は髪にも及ぶわけで、頭皮の毛根が酸化すると、実はメラニンが出にくい毛包に傾いてしまいます。

――つまり、さらに白髪を増やす原因になるというわけですか?

西海さん:そうです。この他にもパサつきなどのダメージや硬化、抜け毛の原因にもなると言われています。なので、染めたら染めっぱなしというのではなく、きちんと活性酸素を退治することが大人世代には重要ですね。

 


サロンで白髪染めをしたらプラスしたいお手入れとは?

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――具体的にはどんなことが効果的でしょう?

西海さん:最近、注目されているのが『水素トリートメント』です。水素には大量に出た活性酸素を取り除く働きがあり、白髪染め後の頭皮と髪に水素を送り込むことで活性酸素を還元し、クリーンな状態に戻すことができるんです。

――頭皮と髪のスペシャルスキンケアという感じですね。

西海さん:そうですね。白髪染めによって蓄積された活性酸素を効率的に除去できますから、大人世代にこそおすすめです。私のサロンでは、その効果を最大に引き出すために生の水素をその場で作って施術に入りますが、サロンによって扱い方はそれぞれなんです。
ただ、水素トリートメントを取り扱うサロンは全国的にも増えています。白髪染め後のオプションメニューとして提案するサロンは多いので、ぜひプラスしてほしいところです。さらに、悪性の活性酸素をきちんと除去すれば結果的に髪質もサラッとして指通りに違いが出てきます。

――生えてくる髪を美しくするためにも、染めたあとのアフターケアが大切になるんですね。
  
西海さん:そうですね。水素トリートメント以外にも、ヘアサロンのスパには頭部の血行促進や日常のシャンプーでは落ちきれない汚れの洗浄、また、白髪染め薬剤の緩和に対して効果的なメニューがありますから、担当美容師さんに相談してみましょう。いずれにしても、白髪を隠すためには白髪染めを使うのが最良なわけですから、長く上手に付き合える方法を選択するとよいと思いますね。


ファッションカラーと白髪染めの使い分けは可能?

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――水素ケアが、大量の活性酸素除去に効果的なことがわかりました。この他におすすめ施術などはありますか?

西海さん:白髪をファッションカラーで染めてもらうのもひとつの手です。白髪染めに比べて薬剤パワーも下がりますから、ダメージを軽減する方法としてはよいでしょう。それから根元のリタッチは白髪染めで、それ以外はファッションカラーを使うなど、薬剤の使い分けもダメージ軽減になりますよ。

――いろいろな方法があるんですね。

西海さん:はい。それと、白髪染めが頭皮にベタッとつくのが気になる人は「0テクニック」をお願いしてみるのも手。「0テクニック」とは、薬剤が頭皮に極力つかないように、通常の刷毛は使わずにコームで塗布する方法です。ただ、これは難しい技術ですから、通っているサロンさんでできるかどうか聞いてみてください。

白髪染めに大敵な熱ダメージ。
気になる髪のギラつきにも深く関係⁉


――最後にもうひとつ伺います。白髪染めをして2~3週間でギラついたようになって、サロン帰りのような質感が持続しない悩みはどうすればよいでしょうか?

西海さん:この原因のひとつが熱の問題です。髪に水分が残ったまま、ヘアアイロンを高温設定のまま当てると、水蒸気爆発が起こって髪内部に空洞ができてしまいます。そして、キューティクルがボロボロになって染めた髪のギラつきも目立ってしまいます。

――えー! 気を付けないと……

西海さん:例えば乾いた髪にオイルをなじませ、その直後に高温のアイロンを使うのもNG! これも水蒸気爆発を起こす原因になるので、アイロンで巻き終えてからオイルでツヤを与えるようにしましょう。

――白髪染めとアイロン。そしてアイロンとオイルの関係って、意外と見落としがちでした。髪に必要だからとただ使うのではなく、順番がとても大事なんですね。   

白髪染めとダメージの問題をクリアにしていくことで、この先もきれいな髪色を楽しむ余裕がでてきます。なりたい髪色、髪型で自分を輝かせるために、これからは白髪染めのアフターケアをきちんと意識していきたいですね。

CALON銀座代表
カラースペシャリスト・西海洋さん

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渡英後にビダルサスーンで美容を学んだあと、ロンドンのサロンでカラーリストとして活躍。帰国後、サロン経営を行いながら「西海塾カラーリングスクール」を展開。日本中のサロンで最新のカラーリングテクニックを指導する、日本を代表するカラーリスト。
Salon Data
• CALON銀座
東京都中央区銀座5-13-19 デュープレックス銀座タワー 5F
tel. 03-6278-8584


大人だから映える華やかな髪色の女性たち
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撮影/古谷利幸
取材・文/小澤佐知子
構成/國見香

 


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