『パラサイト』から『愛の不時着』まで名バイプレーヤー女優を起用

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映画『ひかり探して』より。主演のキム・ヘスさん。©2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

本作の見どころは、集まるべくして集まったキャスティングにもあります。主演候補に映画やドラマなど数々の作品で主演するキム・ヘスさんが快諾すると、名バイプレーヤー女優たちの参加も続々と決まります。なかでも、登場シーンから存在感を示すのがイ・ジョンウンさん。でも、それは想定外のことでもありました。実はイ・ジョンウンさんへのアプローチは映画『パラサイト 半地下の家族』公開前。カンヌとアカデミー賞をW受賞した作品に出演したことで爆発的に人気が高まり、「単なる事件の目撃者じゃないはず!」とヒントを与えてしまうことになってしまったのです。とはいえ、嬉しい悲鳴と言えるエピソードです。「結果的には良かったと思っています」とパク・チワン監督も話しています。

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映画『ひかり探して』より。イ・ジョンウンさん。©2020 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved

そして、ドラマ『愛の不時着』で好演した北朝鮮軍陸軍少尉の妻で舎宅村の人民班長役のキム・ソニョンさんは本作でキム・ヘスさん演じるヒョンスの親友役のオファーに対して即答だったそうです。キム・ヘスさん自らもキム・ソニョンさんとの初共演を望んでいたというめぐり合わせでした。女性監督による、女性の物語の数はまだまだ少ない現実もあり、作る側も演じる側も大きな意味のある作品だったのかもしれません。

 

最後にパク・チワン監督がミモレ読者のためにメッセージを寄せてくれました。本作が国境を越えて伝える力があることがわかるものです。

「女性による女性の物語を意識して作ったわけではありませんでしたが、観客は今、多様な物語を見ることを望んでいます。そんな時代に公開ができ、本当に私はラッキーです。当初は日本でも公開されるとは思っていなかったのですが、この機会に日本の皆さんとも良い影響を与え合うことができる経験ができたら嬉しいです」

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パク・チワン監督
1981年生まれ。大学卒業後に映画会社に入り、企画 マーケティングを担当。その後、2007年に韓国映画アカデミーに入学し、長編映画のスクリプターの仕事もしながら、2008年には自身が脚本・監督を務めた女子高生 たちの日常を繊細に捉えた短編映画『女子高生だ』が 第10回ソウル国際女性映画祭<アジア短編部門最優 秀賞>を受賞した。オリジナル脚本にして長編デビュー作となった『ひかり探して』が、百想芸術大賞で映画部門最優秀脚本賞を、 青龍映画賞では新人監督賞を受賞し、今後の更なる活躍が期待される。

 

映画『ひかり探して』韓国の名女優たちが勢揃い!
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<映画紹介>
『ひかり探して』
2022年1月15日よりユーロスペースほか全国にて順次公開中

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-STORY-
台風が吹き荒れるある日の夜、遺書を残し離島の絶壁から身を投げた少女。
休職を経て復帰した女性刑事ヒョンスは、少女の失踪を自殺として事務処理するため島に向かう。

そこでヒョンスは、たった一人孤独で苦悩していた少女の在りし日に胸を痛める。少女の保護を担当した元刑事、連絡が途絶えた少女の家族、少女を最後に目撃した聾唖の女、ヒョンスは彼等を通じて少女がある犯罪事件の重要参考人だった事実を知る。そしてヒョンスは次第に自身の境遇と似ている少女の人生に感情移入するようになり、上司の静止を振り切り、次第に捜査に深入りして行く……。

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