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母の介護をめぐって、薄情な弟と絶縁状態に。姉・弟の関係は修復できる？【アンミカさんの人生相談】

2022.3.3

アンミカ

「弟の妻」に事情を話し、話し合いに立ち会ってもらう

とはいえ、絶縁状態がこのまま続けば、お母様のことはもちろん、ご自身の将来のことも不安になりますよね。弟さんは振り上げた拳を下ろせなくなっているでしょうから、待っているだけでは連絡は来ないかもしれません……。もし、弟さんの奥様の連絡先をご存知なら、事情を話してみてはいかがでしょうか。

お花でも持って弟さんのご自宅に伺い、奥様同席のうえで弟さんと話し合うのもひとつの方法だと思います。足が悪い年上のお義姉さんが訪ねてきて、玄関先で追い払うなんてことはさすがにしないはず。母のためにもどうか協力してほしい、一人で介護するにはもう限界だと、あなたの窮状を家族に訴えることも大切なことです。

自分のためのセーフティネットを持っておく

弟さん同様、もし奥様も非情な人で聞く耳を持たないのだとしたら……。残念ですが、悲しい現実は切り離して、安心できる場所をはるさんご自身の手で作っていくのがいいかもしれません。

以前働いていた職場、これから働く職場などを、何かあったときの緊急連絡先にさせていただく。社会生活を少しずつでも復帰させて、新たな人間関係を構築していく。肉親以外のセーフティネットを持っておくことも、生きていくための術だと思います。人生は本当に何が起こるのか分からないもの。不謹慎かもしれませんが、今は元気な弟さんが先立つこともないとは限りません。

58歳からでも新たな居場所づくりはできますし、何よりはるさんは人の苦労に共感できる優しいお方。きっと手を差し伸べてくれる人がいるはずです。姉弟仲が良いに越したことはありませんが、弟さんとの関係修復が無理だったとしても、どうか絶望しないでいただきたいと思います。

責任が大きすぎる難しい判断は……

ただし、延命についての判断においては心配が残ります。
一人での判断は、あまりに責任が大きいからです。弟さんが言う反対の理由も、もしかすると一人で頑張ってきたお姉さんへの罪悪感や苦労を掛けたくない気持ちがあるのかもしれません。お母様自身は延命について話すことができる状態なのでしょうか？
残酷な話ではありますが、本人の意思も含めて決めていくことが望ましいと考えます。

心優しく責任感が強いはるさんが、自分の落ち着く場所を見つけ、新しい人生のコミュニティに出会い、弟さんと話ができる環境が再び取り戻せて、心から安心して自分のこれからの人生をいきいきと生きることができることを心から願っています。

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取材・文／金澤英恵

前回記事「出世した夫が、在宅勤務で妻へのモラハラが加速。アンミカさんが考える関係改善の対処法とは」はこちら＞＞

PROFILE

アンミカAhn Mika

1972 年生まれ。韓国出身大阪育ち。1993 年パリコレ初参加後、モデル・タレント、時には歌手として、テレビ・ラジオ・ドラマ・CM出演など、幅広く活躍。「漢方養生指導士」「化粧品検定1級」「ジュエリーコーディネーター」など多数の資格を活かし、化粧品、洋服、ジュエリー等をプロデュース。プロトコールマナー講師の資格も有し、講演会では、そのポジティブな内容が好評。韓国観光名誉広報大使、初代大阪観光大使も務める。『ポジティブ日めくりカレンダー毎日アンミカ』(講談社)、『ポジティブ手帳2023: 365日、アンミカ思考で幸運体質！』（小学館）も発売中。