体外離脱体験の起こりやすさは小児期の辛い経験が関係していた

 

体外離脱体験は臨死体験をした時にもよく見られる現象で、起こる確率は8割以上という報告もあるのだとか。しかも、頻度を上げている要因の一つが小児期の虐待経験と言われているそうです。

 

「虐待経験は、自己肯定感をとてつもなく下げてしまうことが分かっている。肉体的・精神的に痛めつけられ、生死に関わる状況の中で、なんとか自分の『心』を守る手段が解離症/解離性障害、体外離脱体験だとすると、のちの自己肯定感の低下は、体外離脱して自分を一度捨ててきたことが関与するのかもしれない」

この現象が起こるのは、人間が本来持っている能力が関係していると駒ヶ嶺さんは考察しています。

「虐待や災害などに直面すると、脳は恐ろしい窮地を抜けて、その本体をなんとか生き延びさせようとする力を発動させる」

近年、人生を切り拓くためには自己肯定感を高めることが重要だと言われていますが、皮肉にも生きるために逆に低めてしまったという人も少なくないのかもしれません。