みなさんのスマートフォンの中には、どんなアプリが入っていますか? 世の中にはさまざまなアプリがありますが、仕事効率化アプリや家事アプリ、料理レシピアプリなどは使っている人も多いのではないでしょうか? これらのアプリは利便性を高めるために、“中の人”が知恵を絞り、技術を駆使して常にアップデートされています。「BE・LOVE」で連載中の『西園寺さんは家事をしない』の主人公・西園寺一妃(いつき)も、そんな“中の人”の一人。家事アプリの開発で大ヒットを飛ばしているのですが、実は家事がからっきしだめで――。


「掃除はしなくても 死なない」と、家事をしない女


西園寺一妃(38)が働いているのは、“家事を楽に楽しく”をコンセプトに、Webからアプリ開発までを手掛ける新進IT企業レスQ。西園寺さんは企画からマーケティングまで何でもこなし、最近の同社のヒットアプリの大半は彼女が手掛けたものばかり。犬と一緒に暮らしたくてペット可物件を探していたものの、低金利ローンを組んで買った方が早いと、一軒家を買ってしまうほどの思い切りの良さがあります。

 

しかし、プライベートに目を向けると、食事は惣菜で済ませ、洗濯はそもそもシワにならない服しか買わず、全自動洗濯機任せ。「掃除はしなくても 死なない」と、掃除もロクにしていませんでした。

 

そんな彼女の強い味方は、学生時代からの親友で家事代行業をしている陽毬(ひまり)。面倒見のいい陽毬はなんだかんだと、西園寺さんの家を訪れては家事をしてくれているのでした。西園寺さんは一軒家を買ったものの、予想以上にリフォームにお金がかかって貯蓄ゼロ。家の一部屋を賃貸用にしたので、入居者を探していました(陽毬にはあっさり断られてしまいます)。

西園寺さんも陽毬も、もう38歳。年齢的には同居人よりも結婚相手を探すべきなのかもしれませんが、西園寺さんは一生懸命働いて、ようやく自分の“城”を持ち、自由な暮らしを手に入れたのだから、今の生活を満喫したいと思っていました。

ある日、西園寺さんの会社に、シリコンバレーの企業から来た、エンジニアの楠見俊直(29)という男性が入社します。西園寺さんとは10歳近くも年下で、アメリカ帰りだからか、距離感が妙に近いので、彼女は調子を狂わされています。でも、いざ仕事が始まると、噂通りに優秀で、西園寺さんが楠見くんを見る目が少し変わります。

 

実はこの楠見くん、西園寺さんの家の近所のマンションに引っ越してきていたことがわかるのですが、運が悪いことに火事で焼け出されてしまいます。見かねた西園寺さんが、入居者を探していた賃貸部分が空いているので、「よかったら私の家こない?」と提案。ところが、実は楠見は4歳の娘を持つシングルファザーで、妻とは交通事故で死別していたのです。
 

シングルファザーの年下男子との同居生活が始まる!


思いがけず一つ屋根の下で、楠見親子との暮らしがはじまり、一人の自由を謳歌していた西園寺さんの日常が激変。生活空間が別とはいえ、やはり小さい子どもと一緒に暮らすとなると、「賃貸部分で勝手に暮らしてね」と突き放すこともできず、西園寺さんは否が応でも家事と向き合わざるを得なくなります。また、楠見親子との暮らしがきっかけで、会社のコンセプトでもある“家事を楽に楽しく”を模索していくことになります(しっかりと仕事につなげているところが、仕事人間の西園寺さんらしい)。

西園寺さんは家事が苦手ゆえに、最低限のことしかしてこなかったのですが、小さな子どもがいるとそういうわけにはいきません。仕事をこなして子育てもする楠見くんを間近に見ていて、家事は一人でやるより複数でやったほうが合理的であり、快適な暮らしにつながるのではないかと気づきます。そこで、西園寺さんが決めたのは、楠見親子と“偽家族”になること。果たしてそんな暮らしがうまくいくのでしょうか?

人には得手不得手があり、家事全般が器用にこなせて、自分も苦ではない人なんてほとんどいないはずです。複数で暮らしていれば、お互いがカバーし合うことができます(家事分担をどうするかという大問題がありますが)。

料理だって、できない人からすれば、料理レシピアプリを見たところで、同じように作るのは難しいもの。でも、実際は手際よく作れて、美味しい料理はたくさんあるものです。主人公が、全く家事をしてこないできた西園寺さんだからこそ、家事の大変さや役割分担の難しさなどがリアルに浮き彫りにされます。

楠見くんとの関係性も気になるところではありますが、もともと有能な西園寺さんが、家事という未知の領域にどう攻め込み、ミッションをクリアしていくかも読みどころの一つ。自分の家事を見直すきっかけにもなりそうです。


1巻発売を記念して、料理レシピサービス「クックパッド」とのコラボによるTwitterキャンペーンとレシピコンテストも開催予定。大賞に選ばれたレシピは「BE・LOVE」12月号掲載の『西園寺さんは家事をしない』に登場し、「クックパッドニュース」でも紹介されます。さらには入賞者に豪華賞品も! マンガの世界を飛び出したユニークな展開にも注目です。
詳しくは特設サイトへ!

 


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『西園寺さんは家事をしない』
ひうらさとる 講談社

家事をしない家事アプリ社員の西園寺さんは、38年かけてやっと手に入れた自由な独り暮らしを満喫中! ところがそんなある日やってきたのはシリコンバレー帰りの天才エンジニアの楠見くん。変わった年下男子には大きな“秘密”があって!?


作者プロフィール
ひうらさとる

1984年「あなたと朝まで」(なかよしデラックス8月号)でデビュー。1986年ロンドンからやってきた恋のキューピッドが活躍する「ぽーきゅぱいん」が大ヒット。以後、「レピッシュ!」「月下美人」「プレイガールK」、テレビドラマ化され話題を呼んだ「ホタルノヒカリ」など、代表作を次々と発表。ポップでキュートなシンデレラストーリーが読者の心をつかんでいる。 BE・LOVEで「西園寺さんは家事をしない」連載スタート!