2022年8月から小学生の息子と一緒にカナダへしばらく移住をすることにしたファッションエディターが発信。母子留学を考え始めたきっかけから出発当日までの準備、渡航後は現地の学校や暮らしをリポートする連載です。6回目は、海外移住を決め、周りに報告したときに起こった悲しいできごとについて紹介します。
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同世代の仕事関係者に「カナダに引っ越すことにしました」と報告したら……
現地の小学校の入学許可証が発行され、学生ビザの承認レターも届いたら、次にしなければならないのは、私の仕事関係者への報告でした。
ある日、同じ40代であろう男性に「カナダに引っ越すことにしました」と報告したところ、即答でひと言めに言われたのは、「旦那さんの栄転? おめでとう! 旦那さんすごいね」でした。
最近ニュースで、世界経済フォーラム(WEF)が各国の男女格差の現状を評価した「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート2022」(世界男女格差報告書)が発表され、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中116位で、主要7カ国(G7)で最下位だったと話題になっていましたよね。
その男性の反応に、まさに日本らしいジェンダーギャップを強く感じたのです。
もちろん、悪気はなかったと思いますが、これが日本の“普通”なんですよね。
実際のところ、夫は海外赴任の予定はありませんし、すべての手続きを自分主導で行い、入学許可証もビザも手に入れたから、余計に悲しくなりました。
おそらく、ファッション業界はほかの業界よりも女性が活躍している割合が高いので、ふだんジェンダーギャップを体感することは少ないほうだと思うのですが、やはり女性の生きづらさを感じる場面はゼロではありません。
レポートでも取り上げられている、「政治面で議員や官僚に女性が占める割合が少ないこと」や、「経済面で女性の管理職の割合が低いこと」はもちろんそうですが、もっと身近な場面でもギャップを感じることはあります。
たとえば、私が体験したことだと、コロナ禍で在宅勤務が増えたときに、家事の負担が女性ばかりにいくこと。タクシーの運転手が男性相手だと敬語なのに、女性だとタメ口でしゃべってくること。電車のホームなど、混んでいる場所で男性が女性だけに体当たりしてくること。
一方、この夏から移住するカナダは、ジェンダーギャップ指数25位。
移住者ならではの別の問題もあるとは思いますが、ジェンダーギャップの視点においては、これからの新しい生活が楽しみでなりません。
【写真】カナダ母子留学までの流れ
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